世界9割以上の国で新型コロナが精神医療の分野に影響 WHO調査

世界9割以上の国で新型コロナが精神医療の分野に影響 WHO調査
新型コロナウイルスへの対応で医療機関の負担が増える中、WHO=世界保健機関は調査した世界130か国のうち90%以上の国で、心のケアを担う精神医療の分野で影響が出ているとして、各国に対して対策の強化を求めています。
新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる中、WHOはことし6月から8月にかけて日本を含めた世界130か国を対象に、心のケアを担う精神医療の分野にどのような影響が出ているか、調査をしました。

それによりますと、調査対象となった93%の国で治療に支障が出るなどしているということです。

具体的には67%の国でカウンセリングや心理療法に支障が出ているほか、35%の国では緊急に介入が必要な場合の対応が遅れるなどしているということです。

WHOは、新型コロナウイルスで家族を失ったことによる喪失感や、外出制限による孤独感などから飲酒の量が増えたり不眠症に陥ったりする人が増えていて、心のケアを担う精神医療がより求められていると指摘しています。

WHOの精神衛生部門の責任者、デボラ・ケステル氏は会見で「メンタルヘルスは各国ではこれまでも十分な財源を与えられてこなかった分野で、感染が拡大する中でも置き去りにされている」と述べています。