トランプ大統領がビデオメッセージ “今後数日間が正念場”

トランプ大統領がビデオメッセージ “今後数日間が正念場”
新型コロナウイルスに感染して入院しているアメリカのトランプ大統領は、ツイッターにビデオメッセージを投稿し、体調はよくなっていると述べたうえで、今後数日間が、本格的な容体の改善に向かうのか、正念場になるとの考えを示しました。
新型コロナウイルスに感染して首都ワシントン近郊の病院に入院しているトランプ大統領は3日夜、ツイッターにおよそ4分間のビデオメッセージを投稿しました。

この中で、トランプ大統領は、「病院に来て体調はかなり改善した」と述べたうえで、「今後、数日間が正念場だ。体調がどうなるか見極めたい。数日後にははっきりわかるだろう」と自身の病状を説明しました。

そして、「アメリカを再び偉大にするために現場に戻らなければいけない。まだやらなければならないことが残っている。すぐに戻れるだろう」と述べて早期に現場に復帰すると強調しました。

一方、トランプ大統領の主治医は、診断内容を記した報告書を発表し「大統領は引き続き体調がよい状態で、陽性と診断された時に比べて大きく改善が見られている」としています。

そして、「発熱はなく、酸素の吸入も必要ない状態だ」としたうえで、新型コロナウイルスの症状を判断する1つの指標となる血液中の酸素濃度も96%から98%と問題のない数値だということです。

そのうえで「大統領は午後のほとんどを執務をして過ごすなど、部屋の中で問題なく活動できている。まだ困難からは抜け出せておらず、慎重ではあるが、楽観している」としていて、経過は順調だと説明しています。

主治医らは、トランプ大統領の健康状態を注意深く診ていくことにしていて、今後数日間で、大統領の体調が本格的な改善に向かうのかが焦点です。

ペンス副大統領や大統領の家族 “選挙活動を全力で進める”

トランプ大統領の陣営は、大統領が新型コロナウイルスに感染したのを受けて、3日、声明を発表し、大統領が復帰するまでの間、ペンス副大統領や大統領の家族が激戦州でイベントを開くなどして選挙活動を全力で進めていくと発表しました。

声明によりますと、ペンス副大統領は、今月7日に開かれる副大統領候補によるテレビ討論会に出席した後、激戦州アリゾナ州を訪れてイベントを開くほか、大統領の息子のジュニア氏やエリック氏なども選挙の行方を左右する重要な州を相次いで訪問するとしています。

さらに、トランプ陣営は、オンラインによるイベントも開くほか、陣営の女性や黒人の組織など様々な団体の活動を活発化させるとしています。

大統領の感染に伴い、陣営では、大統領本人による集会が中心だった選挙活動の変更を余儀なくされていますが、声明では「全力を挙げて再選に向けた真の熱意を示す」としていて、1か月後に迫った大統領選挙に向けて支持者の熱気を高めていく構えです。

選挙資金パーティー参加者に自主隔離呼びかけ

トランプ大統領は、1日、最側近のヒックス氏の感染がわかった後、東部ニュージャージー州にある「トランプ・ナショナルゴルフクラブ」で行われた選挙資金パーティーに参加していました。

現地ニュージャージー州のマーフィー知事は、2日、このパーティーに参加した人たちに対して、14日間の自主隔離と検査を受けるよう呼びかけました。

アメリカのメディアによりますと、パーティーには、およそ100人の支援者が参加したということで、中には最大で25万ドル、日本円にして2600万円あまりを支払って参加した人もいたということです。

参加者がトランプ大統領にどれだけ近寄れたかについては、様々な情報があって明らかではありませんが、ニュージャージー州では、大統領との濃厚接触者を探す「コンタクト・トレーシング」が行われているということです。