入院のトランプ大統領 開発中の新型コロナ治療薬の投与受ける

入院のトランプ大統領 開発中の新型コロナ治療薬の投与受ける
アメリカのトランプ大統領は新型コロナウイルスへの感染が明らかになったあと初めて姿を見せ、ビデオメッセージで「調子はいい」と述べました。一方で開発中の治療薬の投与を受けるとともに、予防的措置だとして首都ワシントン近郊の病院に入院しました。トランプ大統領の健康状態に世界の目が注がれています。
トランプ大統領は2日午後6時すぎ、新型コロナウイルスへの感染を明らかにしてからおよそ17時間後に、初めてホワイトハウスの庭で待ち構える報道陣の前に姿を見せました。

ホワイトハウスはこれに先立って、予防的な措置だとして大統領が首都ワシントン近郊の軍の病院に移ることを明らかにしていて、トランプ大統領は専用のヘリコプターで病院に移動して入院しました。

スーツ姿でマスクを着用したトランプ大統領は、しっかりした足取りで報道陣に手を振り、ほぼ同時にツイッターにビデオメッセージを投稿して「調子はいいが問題ないか確認してもらう。心から感謝する」と述べました。

トランプ大統領は今後、数日間は病院から執務を続けるとしています。

一方、ホワイトハウスはトランプ大統領が念のための措置として開発中の新型コロナウイルスの治療薬の投与を受けたと明らかにしました。

この薬はアメリカの製薬会社「リジェネロン」社が開発している抗体医薬で、先月発表された初期の臨床試験の結果では、ウイルス量の減少や症状が軽くなるまでの期間が短縮される効果がみられたとしています。

トランプ大統領の体調についてホワイトハウスは「大統領は疲れているが元気だ」とする主治医の診断内容も明らかにしましたが、複数のメディアはせきや発熱の症状も出ていると伝えていて、トランプ大統領の健康状態に世界の目が注がれています。

入院後初投稿「どうやら良好だ!」

トランプ大統領は2日深夜、日本時間の3日昼すぎ、ツイッターに、「どうやら良好だ!皆さんに感謝している」と投稿し、経過が良好だとアピールしました。

トランプ大統領が軍の病院に入院して以降、ツイッターに投稿したのは初めてです。

主治医「酸素補給は必要としていない」

アメリカのホワイトハウスは2日夜、日本時間の3日午後、トランプ大統領の容体について主治医がまとめた情報を更新しました。

このなかで主治医は、「大統領の体調はとてもよく、酸素の補給は必要としていない」と明らかにしました。

そして、専門家のあいだで検討した結果、新型コロナウイルスの治療薬である「レムデシビル」を使用することとし、「トランプ大統領は、最初の服用を終え、安静にしている」としています。

ホワイトハウス最側近も陽性 感染経路にも関心

トランプ大統領の新型コロナウイルスへの感染が明らかになるのに先立って、ホワイトハウスでは大統領の顧問を務める最側近のヒックス氏の陽性が判明していました。

大統領の感染を受けて大統領と接触した可能性がある政権幹部らは相次いで検査を受けていますが、これまでのところ、ペンス副大統領、ポンペイオ国務長官、バー司法長官、それに、ホワイトハウスの高官を務めるトランプ大統領の娘と娘婿のクシュナー夫妻の陰性が確認されています。

一方、これまでの検査でトランプ大統領の周辺で陽性が確認されている共和党の上院議員や保守系の大学の学長は、いずれも先月26日にトランプ大統領が連邦最高裁判事の指名を発表した記者会見に参加しています。

トランプ大統領の感染との関連については明らかになっていませんが、感染の経路にも関心が集まっています。