6月までの死亡者数 新型コロナ影響での著しい増加見られず

6月までの死亡者数 新型コロナ影響での著しい増加見られず
新型コロナウイルスの影響で死亡した人が見逃されていないかを調べるため、厚生労働省の研究班が、ことし6月までの死亡者数の推移を統計学的に分析した結果、死亡者数が著しく増えるなどの影響はみられなかったと発表しました。
これは国立感染症研究などで作る厚生労働省の研究班が発表しました。

感染症の流行などにより、どれだけ死者が増えたかを推測する「超過死亡」と呼ばれる手法で、統計的に推計される死亡者数を、実際の死亡者数が上回ったかを調べました。

その結果、ことし6月までのおよそ半年間で、分析手法により幅がありますが、全国の超過死亡は最少で191人から319人、最大で4577人から7467人になったということです。

当時は、新型コロナウイルスで死亡した人は、国内でおよそ1000人が報告されていました。

一方、新型コロナウイルスが無かった去年の同じ時期についても分析したところ、全国の超過死亡は最少で1023人から1317人、最大では1万4779人から1万9836人となり、ことしよりも多かったということです。

分析を行った国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は「新型コロナウイルスの予防対策の普及で、インフルエンザが少なかったことや外出自粛で交通事故が減ったことなどで、超過死亡が少なくなった可能性がある。少なくとも死者を数多く見逃しているという状況ではないとみられるが、今後、詳細に分析していきたい」と話しています。