政府配布の「布マスク」 単価などの開示求め大学教授が提訴

政府配布の「布マスク」 単価などの開示求め大学教授が提訴
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新型コロナウイルス対策として、政府が全国すべての世帯に配布した布マスクを、1枚いくらの金額で納入業者に発注したのかなどを公表していないことについて、神戸市の大学教授が政策の妥当性を検証するうえで不当だと主張して、明らかにするよう求める裁判を起こしました。
大阪地方裁判所に訴えを起こしたのは、神戸学院大学の上脇博之教授です。

政府が新型コロナウイルス対策として、およそ260億円をかけてすべての世帯に2枚ずつ、合わせて1億2000万枚配布した布マスクについて、上脇教授は、納入した業者の選定経緯や契約内容が分かる資料を厚生労働省などに情報公開請求しました。

しかし契約書などは開示されたものの、業者ごとの「1枚の単価」と「発注枚数」は、今後の価格交渉への支障などを理由に黒塗りにされました。

これに対し上脇教授は、マスクを再び配布するとは考えにくいうえ、開示された文書の中に「単価が税込みで143円になる」という、黒塗りをし忘れたとみられる記述もあることから、非開示とする理由はないと主張して、「単価」と「発注枚数」を明らかにするよう求めています。

記者会見した上脇教授は「政策が妥当だったのかや、手続きが適切だったのかを国民が議論するために、すべての情報を開示すべきだ」と話しています。

一方、厚生労働省は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。