新型コロナ 回復した人の血液成分を患者に投与 臨床研究で承認

新型コロナ 回復した人の血液成分を患者に投与 臨床研究で承認
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新型コロナウイルスの患者にすでに回復した人の血液の成分を投与する「回復者血しょう治療」について国立国際医療研究センターが進めている臨床研究で実際の患者への投与が内部の倫理委員会で承認されたことが分かりました。
「回復者血しょう治療」は、回復した人の血液から抗体が含まれた「血しょう」と呼ばれる成分を取り出し、別の新型コロナウイルスの患者に投与するもので、各国で研究が進んでいてアメリカでは緊急の使用が許可されています。

国内では国立国際医療研究センターが研究を進めていて、これまでに回復した人60人分の「血しょう」が集まっているということです。

センターによりますと、今月15日に内部の倫理委員会で、実際の患者への投与が正式に承認されたということです。

臨床研究では酸素の吸入が必要な中等症の患者およそ60人に、別の感染症のリスクなどが無いことを確認した「血しょう」を投与し、安全性や効果を調べるということです。

研究を担当する国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は「特効薬がない中、治療法の1つとして有効性と安全性を確認する意味は大きい。今後の流行状況にもよるが、なるべく早く研究を進め、慎重に効果を検証したい」と話しています。