九州新幹線 長崎ルート 長崎ー武雄温泉 2022年秋に開業へ

九州新幹線 長崎ルート 長崎ー武雄温泉 2022年秋に開業へ
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国土交通省は、現在、建設が進められている九州新幹線長崎ルートのうち、長崎と佐賀県の武雄温泉の区間を、再来年の秋に開業する方針を明らかにしました。
九州新幹線の長崎ルートは、福岡県の博多と長崎の間を、佐賀県を経由して結ぶ143キロの区間です。

国土交通省は、このうち8年前に着工した長崎と佐賀県の武雄温泉の区間を、これまで「2022年度の開業を目指す」としていました。

これについて国土交通省は、24日に開かれた与党のプロジェクトチームの会合で「2022年の秋」に開業すると、より具体的な方針を明らかにしました。

一方、長崎ルートのうち、佐賀県内の武雄温泉と新鳥栖の区間については、国土交通省が、整備方式を決めるのに必要な環境影響評価を行うことを提案していますが、佐賀県は、地元の財政負担が増えるため「フル規格」での整備に一貫して反対しています。

こうした状況を踏まえ、国土交通省は来年度予算案の概算要求で、環境影響評価の費用の計上を見送る方針です。

このため、九州新幹線の長崎ルートは、
▽長崎と武雄温泉の区間は「フル規格」の新幹線として、再来年の秋に運転が始まる一方、
▽武雄温泉と博多の区間は、在来線の特急が走る「リレー方式」の暫定的な開業となります。

JR九州 青柳社長「開業に向け機運高めたい」

JR九州の青柳俊彦社長は、記者会見で「開業時期を発表できたことは大変ありがたい。地元と一体となり、開業に向けた機運を高めるとともに、しっかりと準備を進めたい」と述べました。

新鳥栖と武雄温泉の未着工区間については「われわれの最終目標からすれば道半ばで、必ず先があるという前提だ。終着点の目標が見えるよう努力していきたい」と述べ、国や佐賀県などとの協議について「将来のありようについてぜひ協議したい。着工に向けて協議できれば」と述べました。

長崎県 中村知事「開業効果を最大限に高める」

長崎県の中村知事は「県としては、一日も早い開業を期待している。開業時期の見通しが示されたことから、これまで以上に市・町や関係団体などと一丸となって、県民の機運醸成を図り、新幹線開業効果を最大限に高めるとともに、県内全域に波及させるための取り組みを進めていく」とするコメントを出しました。

長崎市 田上市長「とても大きな効果」

長崎市の田上市長は、NHKの取材に対し「新幹線の開業時期が決まるとそこに向けてさまざまな準備が進めやすくなるので、そういう意味では今後の活動にとってよい要素が一つ増えた」と述べました。

そのうえで、「ここ数年間は長崎のまちづくりが進んでいく時期で、新しい魅力も増える。新幹線が開業すれば、『新幹線に乗って長崎に行ってみよう』という動機を作ることにもなるので、とても大きな効果がある」と述べました。

長崎県商工会議所連合会 宮脇会長「目標がはっきりした」

長崎県商工会議所連合会の宮脇雅俊会長は、長崎市内のホテルでNHKの取材に対し「開業時期が秋に決まったことで目標がはっきりし、事前のイベントやいろんな連携もやりやすくなっていくのでよいことだと受け止めている」と述べました。

沿線の嬉野の観光業者は期待

佐賀県の嬉野温泉観光協会の池田榮一会長は「2年後のちょうど今頃と、開業の時期が明確になったことで、この半年ほどコロナの影響で沈んでいる観光業界に再び活気が戻ってくると期待している。2年先を見据えて観光客誘致のための仕掛けをしっかりと打ち出していきたい」と期待を込めました。

そのうえで、武雄温泉と新鳥栖を結ぶ区間の整備方式がいまだに決まっていないことについては「もし武雄と新鳥栖の間で在来線に乗り換えることになれば誘客の面で大きなブレーキになってしまう。私たちはやはり、全線フル規格での整備を望んでいきます」と話していました。

佐賀 武雄市 小松市長「さらなるにぎわいを」

武雄市の小松政市長は「開業まで2年と迫り、大変身の引き締まる思いです。開業に向けて、市民の皆さんと一緒になって開業に向けたまちづくりをさらに加速していきたいと思います。武雄の強みは交通の結節点なるので、この利便性に磨きをかけて、さらなるにぎわいを皆さんと一緒に作っていきたいと思います」と話しました。

佐賀県知事「フル規格検討したことない」

佐賀県の山口知事は記者団の取材に対し「佐賀県にとっても大きなチャンスだ。開業効果が最大限に上がるよう全力を尽くしていきたい。佐賀と長崎の行き来も盛んになると思うので、施策を打っていきたい」と述べました。

一方で、新鳥栖と武雄温泉の間の整備方式をめぐっては「フリーゲージトレインについては合意しているので、その選択肢は今でもあると思っている。ただフル規格での整備は今まで検討したことがない」と述べ、改めてフル規格での整備については否定的な考えを示しました。

佐賀県は国土交通省が示した5つの方式すべてに対応できる、環境影響評価の実施を拒否していますが、こうした状況を踏まえ、国土交通省は来年度予算案の概算要求で、環境影響評価の費用の計上を見送る方針を示しています。

これについては、山口知事は「自然なことだ」と述べたうえで、今後も国との幅広い協議を進めていく考えを示しました。