河井案里議員裁判 前町議会議長「機嫌を損ねないため…」

河井案里議員裁判 前町議会議長「機嫌を損ねないため…」
公職選挙法違反の罪に問われている河井案里議員の裁判で、安芸太田町議会の前の議長が証人として出廷し、河井克行元法務大臣から現金を受け取ったことを認めたうえで「町の生き死にを握っている国会議員の機嫌を損ねないためだった」と証言しました。
参議院議員の河井案里被告(47)は、去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法の買収の罪に問われ、無罪を主張しています。

東京地方裁判所で開かれた24日の裁判では、現金の受け取りを認めて今月17日に議長を辞職した、安芸太田町議会の矢立孝彦前議長が証人として出廷しました。

矢立前議長は、去年3月に自宅に訪ねてきた河井克行元大臣から「活動の足しにしてください」と言われ、現金20万円の入った封筒をテーブルに置かれたと証言しました。

その際、前議長は「これは先生、具合が悪いですよ」と断ったものの、元大臣は「大丈夫ですから」と言って、すぐに外に出て帰ってしまったと証言しました。

検察官から現金を返さなかった理由を問われると、前議長は「地元選出の国会議員は町の生き死にを握っている存在で、議長として元大臣の機嫌を損なわずにおつきあいをする使命があった。金を返して元大臣の機嫌を損ねたら、町の事業が遅れる事態にもなりかねず、町のためにならないと思い、なかなか判断がつかなかった」と述べました。

案里議員の審理も一部取り消し

河井克行元大臣が弁護士を解任し、審理が中断していることから、東京地方裁判所は案里議員の裁判についても来週の予定を一部、取り消したうえで、検察に対し、案里議員の事件の立証方針を練り直すように求めました。

東京地方裁判所は、河井克行元大臣と案里議員の裁判を、先月の初公判から今月15日の8回目までは一緒に審理しましたが、河井元大臣による弁護士の解任を受けて、裁判を分離し、河井元大臣の裁判の予定を取り消したうえで、案里議員の審理だけを続けています。

しかし、23日と24日の裁判では、河井元大臣が現金を渡したとして起訴内容に記載された地元議員らの証人尋問が行われ、案里議員が起訴された内容とはほとんど関係がなく、弁護側も一切、質問しませんでした。

来週も河井元大臣の起訴内容に関わる証人尋問が予定されていましたが、24日の審理が終わったあと、高橋康明裁判長は、次回の28日から来月1日に予定されていた7人の証人尋問をすべて取り消すことを決めました。

そのうえで検察に対し、「証人の優先順位を決め、審理計画を練り直す必要がある」として、案里議員に関係する証人尋問を優先するなど、立証方針を練り直すよう求めました。