世界の総就労時間 約17%減 5億人近く失業に相当 ILOが推計

世界の総就労時間 約17%減 5億人近く失業に相当 ILOが推計
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国連の専門機関は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でことし4月から6月の世界の総就労時間が感染拡大前と比べておよそ17%減少し、4億9500万人が失業したことに相当するという推計を発表しました。
ILO=国際労働機関は23日、ことし4月から6月の第2四半期の世界の総就労時間について、感染拡大前の去年10月から12月と比べて、17.3%減少したと発表しました。

これは、ことし6月にILOが発表した予測よりも3.3ポイント悪化し世界でフルタイムで働く4億9500万人が失業したことに相当するということです。

最も影響が大きいのが、▽南北のアメリカ大陸で28%、次いで▽ヨーロッパと中央アジアで17.5%で、▽アジア太平洋地域でも15.2%、就労時間が減少したと推定しています。

また、ことし1月から9月までの世界の労働所得は前の年の同じ時期と比べて率にして10.7%、金額にして3兆5000億ドル、日本円でおよそ368兆円減少したとしています。

会見したILOのライダー事務局長は「雇用や労働所得の回復に向けた支援は来年にかけても続けていかなければならない」と述べ、労働者や企業を支援するための長期的な経済対策が必要だと強調しました。