東京五輪・パラ選手の入国は防疫上の措置講じ 大会参加可能に

東京五輪・パラ選手の入国は防疫上の措置講じ 大会参加可能に
東京オリンピック・パラリンピックの出入国管理の在り方などを検討する会議が開かれ、各国の代表選手らは、必要な防疫上の措置を講じたうえで入国を認め、2週間の待機期間中も、大会への参加などを可能とする仕組みを作る案が了承されました。
総理大臣官邸で開かれた会議には、政府と東京都、大会組織委員会の関係者などが出席し、日本を訪れる各国の代表選手らの受け入れなどについて議論しました。

この中で政府は、必要な防疫上の措置を講じたうえで入国を認め、2週間の待機期間中も、大会への参加や練習などを可能とする仕組みを作ることを提案しました。

具体的には、出国前と日本への入国時などに検査を行うことや、公共交通機関を利用せず、専用の車での移動を原則とすることを求めるほか、国内でのすべての行程を提出してもらい、入国から出国までを網羅的に把握するとしています。

これに対し出席者から異論は出されず、提案は了承されました。

こうした方針は、24日から行われるIOC=国際オリンピック委員会との会議でも報告されることになっています。

JOCは計画的強化を要望

JOC=日本オリンピック委員会の福井烈専務理事は、東京オリンピック・パラリンピックの出入国管理の在り方などを検討する会議に出席したあと、報道陣の取材に応じました。

この中で福井専務理事は、日本の選手が海外から帰国したあと、2週間の待機期間があることで、海外への遠征を見送らざるをえない場合があることについて「徹底した感染症予防対策をとったうえで、安全・安心な形で隔離期間中に個別トレーニングだけではなくて、競技会や練習試合、合同練習などの実践的な練習に参加できる仕組みを作ってもらいたいと要望した」と述べ、日本の選手への配慮を要望したことを明らかにしました。

さらに、海外のアスリートが日本国内で開かれる国際大会などに出場するために、来日した際も同様の措置を適用することを要望したということです。

福井専務理事は「先日行われた政府と競技団体連絡会議や、競技団体に対するアンケートでも、上がってきた声だ。実戦的なトレーニングができる環境があれば、アスリートや競技団体は東京大会に向けて計画的に強化ができる」と要望した理由を説明しました。

一方、JPC=日本パラリンピック委員会の河合純一委員長は、JOCと同様の要望をしたことを明らかにしたうえで、それに加えて、公共交通機関を利用しないなどの条件については、障害者に応じた配慮を求めたということです。

河合委員長は「パラアスリートの場合にはコーチやスタッフ、そしてガイドランナーや介助者などのサポートがあるので、アスリートだけが特例を受けるということでは、十分なパフォーマンスにはつながらない。その点も十分考慮して検討してもらいたい」と話していました。

大会組織委員会「IOCやIPCにも協力を」

大会組織委員会の武藤事務総長は会議後、報道陣の取材に応じ「アスリートの入国がまず第一歩なので、よく取りまとめてもらった。
複数にわたる検査は、選手らの安全・安心を確保する観点と国民を守る観点から必要だ。実際にどういう場面で検査するかは、実施体制の構築など、さまざまな課題があるので専門家の意見を聞きながら検討したい。また、IOCやIPCには、出国前の検査や大会期間中の選手の行動ルール、各競技のルールと検査の関係、などの点について協力を求めていきたい」と述べ。24日から始まるIOCや組織委員会などとの会議でも、新型コロナウイルスの感染対策について議論する考えを示しました。