駅の無人化めぐり 車いす利用者「移動の自由侵害」JRを提訴

駅の無人化めぐり 車いす利用者「移動の自由侵害」JRを提訴
k10012631381_202009231846_202009231859.mp4
JR九州が大分市で進めている駅の無人化をめぐって、車いすで生活する市内の3人が「移動の自由を侵害されている」などとして、JR九州に賠償を求める訴えを起こしました。
JR九州は、鉄道事業の効率化の一環としてこの3年間で大分市内の3つの駅を無人化しました。

これについて、車いすで生活する大分市内の30代から60代の男女3人が、「憲法が保障する移動の自由が侵害されているうえ、障害者差別解消法にも違反する」などとして、JR九州に1人当たり11万円の賠償を求める訴えを大分地方裁判所に起こしました。

この中で3人は、駅の利用には駅員の介助が必要だが、無人化されると事前の予約が必要となり、健常者にはない条件が課せられ不利益を受けているなどと訴えています。

JR九州は、これまで、駅の無人化について、利用客の問い合わせにモニター越しに対応する遠隔サポートシステムを新たに導入するなどしていて、安全性や利便性は以前よりも高まると説明してきました。

駅の無人化は各地で進んでいてその是非が、司法の場で問われることになります。

会見で原告の1人の吉田春美さん(67)は「JRに駅の無人化計画を取りやめる約束をしてもらえるよう訴えていきたい」と話していました。

一方、JR九州は「現時点で、訴状が届いていないのでコメントできない」としています。

原告「駅員いることがバリアフリー 無人化やめて」

原告の1人で大分市に住む吉田春美さん(67)は、重度の脳性まひで、人工呼吸器を付けていて、24時間の介護が必要です。

吉田さんは市内の社会福祉法人で理事を務めていて移動には車いすが必要ですが、ふだん利用している駅が無人化されたり、今後、無人化される計画に入っていたりしています。

駅の利用の際には、駅員にホームまでの移動や電車の乗り降りなどの際にサポートを受けていて、駅員が常駐する駅では、急に行き先を変更するような場合でもサポートを受けられるということです。

しかし、無人化された場合、事前に連絡をすればサポートは受けられますが、自由な移動ができなくなるのではないかと不安を感じています。

吉田さんは「天気や私の体調にあわせて電車を利用するので必ずしも前もって予約をするのは難しい。駅員がいることが私にとっては何よりの“バリアフリー”です。JR九州には駅の無人化はやめてほしいです」と話していました。

JR九州 遠隔サポートシステムなどで安全性や利便性向上

JR九州は鉄道事業の効率化の一環として駅の無人化を進めていて、大分県内では、83の駅のうち、これまでに半数を超える45の駅が無人となっています。

3年前には大分市内の8つの駅を無人化する計画を公表し、すでに3駅で実施しました。

JR九州は、この3つの駅について監視カメラを設置したほか、始発から終電まで利用客の問い合わせにモニター越しに対応するなどの遠隔サポートシステムを導入していて、安全性や利便性はこれまでよりも高まると住民説明会などで説明してきました。

JR九州は、これまでに無人駅でのトラブルは起きていないとしたうえで、「安全性の確保や防犯面も向上していると考えています。ご意見やご要望についてはしんしに受け止め、可能なかぎり改善を進めており、今後もしんしに対応して参ります」と話しています。