ヨーロッパで感染再拡大 各国が対応に追われる

ヨーロッパで感染再拡大 各国が対応に追われる
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新型コロナウイルスの感染が再び広がっているヨーロッパではスペインで感染状況が深刻な首都周辺の一部の地区で住民の出入りが原則として禁止されたほか、イギリスでも新たな感染対策が検討されるなど各国が対応に追われています。
スペインでは、1日の新たな感染者数が4000人を超えていて、地元当局は、特に感染状況が深刻な首都マドリードの南部など一部の地区について21日から通勤や通学などを除き住民の出入りを原則として禁止しました。

21日朝からは、警察がこうした地区の入り口、およそ60か所で検問を行い、出入りする人に対して許可証の提示を求める姿がみられました。

一方、ウイルスに感染して亡くなった人がヨーロッパで最も多いイギリスでも、1日の感染者数が4000人を超える日があるなど感染が再び拡大しています。

政府で対策にあたっている専門家は21日記者会見し、「このままだと来月中旬には1日当たりの感染者は5万人にのぼり、11月中旬には1日当たりの死者が200人を超えるおそれがある」と警告しました。

ジョンソン首相は、新たな感染対策の検討を進めていますが、経済などへの影響が大きい厳しい外出制限を全国一斉に実施することは避けたい考えで、難しい対応を迫られています。

週明けの株式市場は値下がり

週明け21日のヨーロッパの株式市場は、新型ウイルスの感染の再拡大を受けて経済活動に打撃となるのではないかという懸念が強まり、取り引き開始直後から幅広い銘柄に売り注文が膨らむ展開となりました。

主な市場の株価指数の終値は先週末と比べてドイツのフランクフルト市場でおよそ4.4%、パリ市場でおよそ3.7%、ロンドン市場でおよそ3.4%、それぞれ値下がりしました。

市場関係者は「イギリスで再び厳しい制限措置がとられるのではないかといった警戒感が週明けになって、一段と強まっていて、投資家の間でリスクを避けようという動きが広がっている」と話しています。