新型コロナ影響で「コメ余り」の可能性 外食向け需要減で

新型コロナ影響で「コメ余り」の可能性 外食向け需要減で
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コメの収穫シーズンを迎えましたが、ことしは新型コロナウイルスの影響で外食向けの需要が減り、在庫が膨らんだことなどから「コメ余り」となる可能性が出ています。価格が下落すれば消費者にメリットとなる一方、農家への影響を懸念してJAがコメの一部の販売を来年秋以降に回すことを決めました。
農林水産省によりますと、ことし6月までの1年間のコメの需要は713万トンとなり、前の年に比べて22万トン減りました。

新型コロナウイルスの影響で外食用の需要が大きく落ち込んだためで、在庫は4年ぶりに200万トンを超えています。

さらに、ことしの稲の作柄は北海道や東北、新潟県などの主な産地では「やや良」か「平年並み」となる見通しで、「コメ余り」となる可能性が出ています。

総務省の統計では去年のコメの小売価格は5キログラム当たりコシヒカリは2457円、それ以外は2234円といずれも4年連続で上昇していたため、ことし値下がりすれば消費者にはメリットとなります。

一方、急激な値下がりは農家の経営に影響を及ぼすとしてJAグループは、ことしの秋に収穫されるコメのうち20万トンを来年の秋以降に販売することを決めました。

農林水産省も食用のコメを飼料用などに転換する農家への補助金について申請期間を延長するなどして、需給や価格の安定化を図ろうとしています。