JR西日本 来年春から関西で深夜電車48本削減 終電30分早まる

JR西日本 来年春から関西で深夜電車48本削減 終電30分早まる
JR西日本は、来年春から関西エリアの主な路線で、午前0時前後に出発する電車48本を削減し、終電を最大で30分早めると発表しました。深夜帯の利用者の減少と、終電後のメンテナンスにあたる作業員の働き方改革を進めるためだとしています。
JR西日本によりますと、削減するのは
▽大阪環状線、
▽JR神戸線、
▽JR京都線など関西エリアの12路線で、午前0時前後に主要な駅を出発する48本の電車です。

来年3月のダイヤ改正に合わせて実施し、これにより終電を最大で30分早めるとしています。

ただ、新大阪駅に到着する東京発の最終の新幹線や私鉄各社などとの接続はできるかぎり確保するということです。

終電を早める理由についてJR西日本は、働き方改革が進んで帰宅時間が早まり、午前0時台の利用客が去年、7年前と比べて15%減少したほか、終電後のメンテナンスにあたる作業員の働き方改革を進めるためだとしています。

JR西日本の三戸尉行運輸部長は「年々、深夜帯の電車の利用者が減少し、さらにコロナの影響でそれが進んでいる。理解をいただきながら進めていきたい」と話しています。

終電をめぐっては、JR東日本も首都圏の主な路線で30分程度早めるとしています。

一方、関西では大阪メトロが深夜帯の需要をみながら今後、検討したいとしていますが、主な私鉄は今のところ、検討していないということです。

終電時間を早める背景は

JR西日本は、終電の時間を早めた背景に働き方改革が進んで遅くまで残業をする人が減っていることがあるとしています。

大阪 北区にあるアプリ開発を行うIT企業、「フェンリル」では、2年前までおよそ400人の社員全員が出社し、繁忙期には終電間際までオフィスで仕事をする人もいました。

しかし、地震や台風といった自然災害をきっかけに2年前、テレワークの制度を導入し、家に持ち帰って仕事をしたり、そもそも出社せずに自宅などで仕事ができる環境を整えました。

ことしに入り新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、今では9割ほどの社員が週に数日は自宅などで仕事をしていて、オフィスで深夜まで残業する社員はいなくなったということです。

16日もこの会社では社員たちが午後6時すぎに仕事を終えて足早に帰宅の途についていました。

また、社内の飲み会もネットを使った「リモート飲み会」が基本で終電まで外で飲むこともなくなったということです。

大阪 和泉市に住む男性社員は、以前は週に5日出社し、遅くまで残業して終電近い電車で帰宅する日もありましたが、働き方改革が進んで会社での残業はしなくなったほか、週に2日は自宅で仕事をし、通勤電車にも乗りません。

男性社員は「以前は繁忙期だと終電間際まで残業をすることもありましたがリモートワークが導入され、そもそも出社しない日もあるので終電を気にしなくなりました」と話していました。

また、「フェンリル」の総務部の岩本亘平課長は「以前は終電の時間を気にしながら残業することもありましたが、今は終電が早まっても総じて影響はないと感じています。今後も世の中の動向を見極めながら今の働き方で業務を進めていきたい」と話していました。