理学療法士目指す学生 臨床実習はオンライン上で

理学療法士目指す学生 臨床実習はオンライン上で
新型コロナウイルスの影響で、国家試験を受けるために必要な「臨床実習」を実施できない大学や専門学校が相次ぐ中、現場では代替措置の模索が続いています。
このうち、千葉県東金市の城西国際大学ではおよそ300人の学生が理学療法士を目指しています。

例年なら、最終学年は病院などで8週間の臨床実習を経験したうえで国家試験に臨んできましたが、感染拡大の影響を受け、大学は今年度の実施を全面的に中止しました。

国は、臨床実習の実施が難しい場合は代替措置をとるよう求めていて、大学では兵庫県のリハビリ施設の協力を得て、オンライン上でテレワークならぬ「テレ臨床実習」を行い、4年生63人が参加しました。

その1人、林拓伸さんは自宅のパソコンから画面越しに、脳卒中により左半身にまひがある56歳の女性を担当し、実際に動作を指示したり体の状態を検査したりしました。

現地では女性が転倒しないよう、リハビリ施設の理学療法士が学生の代わりに付き添い、林さんが教科書を参考に「女性のまひのある側に立って、転倒を防いでほしい」と依頼すると、女性からは「まひのある側に立たれると逆にすごく緊張が高まる」と伝えられ、林さんは理学療法士に反対から支えてもらうよう方針を変えて対応していました。

一方、ことばだけでは動作が的確に伝えられないことも多く、オンラインで見ている大学の教員から助言を受けながら試行錯誤していました。

林さんは「実習を経験していない“コロナ世代”の僕たちが、本当に理学療法士として働けるのか不安でたまらなかった。テレ臨床実習は直接体に触れられないもどかしさや想定外のことも多くくじけそうになりましたが、患者さんへの対応力が鍛えられよい経験になりました。現場に出たら『コロナだから仕方がない』は通じないと思うので、今後も友達や家族と実技を練習するなどして頑張っていきたいです」と話していました。

実習に協力した「動きのコツ研究所リハビリセンター」の理学療法士、生野達也さんは「学生たちが来年の春、現場に出たとき、学校で習ったこととの差を少しでも埋められたらと思い協力させてもらいました。オンラインは限界もある一方で、実習の機会を失った学校と私たち現場がアイデアを出し合って議論すれば、新たによい学びの場を実現できる可能性があり、取り組みが広がってほしいです」と話していました。