米国務次官 李元総統告別式参列で台湾到着 中国けん制のねらい

米国務次官 李元総統告別式参列で台湾到着 中国けん制のねらい
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米中対立が激しさを増す中、ことし7月に亡くなった台湾の李登輝元総統の告別式に参列するため、アメリカが41年前に台湾と断交して以来、最高レベルの国務省高官が台湾に到着しました。今回の訪問を通じて、台湾へ圧力を強める中国をけん制するねらいがあるものとみられます。
アメリカ国務省のクラック次官は19日に行われる台湾の李登輝元総統の告別式に参列するため、日本時間の17日午後6時すぎに台北市内の空港に到着し、関係者が出迎えました。

クラック次官は国務長官、副長官に次ぐ6人いる次官の1人で、経済やエネルギー政策を担当していて、台湾の外交部によりますと、41年前にアメリカが台湾と断交して以来、最高レベルの国務省高官の訪問になるということです。

滞在中、クラック次官は蔡英文総統と会い、新たな経済対話の枠組みの設置などについても協議するものとみられます。

アメリカと台湾の関係をめぐっては、先月には、断交以来、最高レベルの閣僚級の高官としてアザー厚生長官が台湾を訪問するなど、結びつきを強めています。

これに対し中国は今月、台湾近海で軍事演習を行い、戦闘機などが40回にわたって台湾が設定する「防空識別圏」に入るなど、軍事的圧力を強めています。

アメリカは今回の国務省高官の訪問を通じて、台湾へ圧力を強める中国をけん制するねらいがあるものとみられます。

台湾外交部 国務省高官の訪問を歓迎

クラック国務次官の台湾訪問について、台湾の外交部は17日未明、コメントを発表し、1979年のアメリカとの断交以来、最高位の国務省高官の訪問だとして歓迎しています。

発表によりますと、クラック国務次官は滞在期間中、李登輝元総統の告別式に参列する以外に、蔡英文総統と会うほか、経済協力の強化をめぐって台湾当局と協議する予定だということです。

先月のアザー厚生長官に続く今回のアメリカの高官の台湾訪問について、台湾の外交部は「アメリカが台湾との関係を重視していることを示すものだ」としていて、さらなる関係強化に期待を示しています。

中国外務省「台湾海峡の平和と安定を破壊 断固反対する」

中国外務省の汪文斌報道官は、17日の記者会見で「台湾独立勢力の勢いを助長し、中国とアメリカの関係と、台湾海峡の平和と安定を破壊するもので、断固として反対する」と述べ、すでにアメリカ側へ厳正に申し入れを行ったことを明らかにしました。

そのうえで「アメリカは、台湾問題が高度に敏感だということを十分に認識し、台湾との公的な交流と実質的な関係の格上げを直ちにやめ、台湾に関わる問題を慎重に処理するよう求める」と強く反発し、状況しだいで何らかの措置をとることを示唆しました。

また、中国政府で台湾問題を担当する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は、16日の記者会見で「台湾問題は中国の内政であり、外部の勢力が干渉することは許さない。アメリカにはいかなる形であれ、台湾との公式の交流を進展させることをやめるよう求める」と強く反発しています。