菅首相 縦割り排除し規制改革やデジタル化 集中的に進める方針

菅首相 縦割り排除し規制改革やデジタル化 集中的に進める方針
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新内閣を発足させた菅総理大臣は、安倍政権の取り組みを継承したうえで、行政の縦割りを排除し、規制改革やデジタル化を集中的に進める方針で、国民の理解と支持を得ながら、改革を実現できるかが焦点となります。
第99代の総理大臣に選出された菅総理大臣は、16日夜、新内閣を発足させました。

その後の記者会見では、安倍政権の取り組みを継承するとしたうえで、新型コロナウイルス対策と社会経済活動の両立を目指すとともに、感染拡大により立ち遅れが明らかになった規制改革やデジタル化を集中的に進める方針を示しました。

そして新たに起用した河野行政改革担当大臣に対し、「縦割り110番」など国民からの意見を参考に、実態に合わない規制に関する情報を集約する仕組みを導入するよう、指示したことを明らかにしました。

菅総理大臣としては、国民の声を背に、行政の縦割りの排除といった改革を強力に進めたい考えです。

またデジタル化を一元的に担う「デジタル庁」を新設し、行政の効率化を進め、新型コロナウイルスが収束したあとの経済成長にも役立てたいとしています。

一方、菅総理大臣は、開催の在り方をめぐり批判が出された総理大臣主催の「桜を見る会」について、来年以降の開催を中止する考えを表明し、野党側などから強く批判された前政権の課題にも取り組む姿勢を示していて、国民の理解と支持を得ながら、一連の改革を実現できるかが焦点となります。

外交をめぐる課題は

新内閣の外交をめぐり、菅総理大臣は、日米関係について、アメリカ大統領選挙の結果も踏まえ、首脳どうしの信頼関係を構築し、一層の強化に取り組む方針です。また、拉致問題や日韓関係、ロシアとの平和条約交渉など、安倍内閣から積み残しとなっている課題に道筋をつけたい考えです。

16日に新内閣を発足させた菅総理大臣は、記者会見で、「わが国を取り巻く環境が一層厳しくなるなか、『自由で開かれたインド太平洋』を戦略的に推進するとともに、中国、ロシアを含む近隣諸国との安定的な関係を築いていきたい」と述べました。

菅総理大臣は、安倍内閣の方針を継承し、引き続き、日米同盟を基軸とした戦略的な外交を展開したい考えで11月3日に行われるアメリカ大統領選挙の結果も踏まえ、首脳どうしの信頼関係を構築し、日米関係の一層の強化に取り組む方針です。

また、中国とも関係の安定化に努める一方、香港問題や東シナ海・南シナ海への海洋進出などに国際的な批判が高まっていることも踏まえ、日本の立場を粘り強く伝えるとともに、国際社会の一員としての役割や責任を果たすよう働きかけていくことにしています。

さらに、安倍内閣が最重要課題と位置づけ、みずからも担当大臣を務めていた拉致問題や、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題などで冷え込んでいる日韓関係、それに、ロシアとの平和条約交渉など、積み残しとなっている課題に道筋をつけたい考えです。

経済をめぐる課題は

新たに発足した菅内閣は、新型コロナウイルスの感染拡大で深刻な打撃を受けた経済を立て直すとともに、行政や産業のデジタル化を推し進めるなどして日本経済の成長力を高めることができるかが課題となります。

菅総理大臣は就任後、初めてとなる16日夜の記者会見で、新型コロナウイルス対策を最優先の課題に掲げ、「国民の皆さんの命と健康を守り抜く。そのうえで社会経済活動との両立を目指す」と述べました。

深刻な打撃を受けている企業の支援や雇用の維持など当面の危機への対応を引き続き迫られますが、巨額の財政出動で財政状況は一段と悪化しているだけに限られた予算をどう効率的に配分していくかが課題となります。

また、規制改革などを通じ、日本経済の実力を高める「成長戦略」を実行していけるかも課題です。

この中では、菅総理大臣があげた行政のデジタル化に加え、経済界からの期待が大きい産業のデジタル化を促す政策を推し進めることができるかが焦点になります。

会見で菅総理大臣は、「世の中には、国民の感覚から大きくかけ離れた当たり前ではないことが残っている」と述べ、海外と比べて高いとされる携帯電話料金の値下げにも意欲を示しました。

このように菅内閣は新型コロナの危機対応にあたるとともに、経済再生に向けた政策を着実に進め財政健全化の道筋をつけることができるかが今後、問われることになります。