台風で行方不明のベトナム人実習生 家族「生存信じている」

台風で行方不明のベトナム人実習生 家族「生存信じている」
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台風10号の大雨による宮崎県椎葉村での土砂崩れの発生の確認から10日となった16日、行方不明となっているベトナム人技能実習生の男性の姉が取材に応じ、「家族は弟が生きていると信じています。どうか弟を捜す努力を続けてほしい」と訴えました。
台風10号の大雨では宮崎県椎葉村で土砂崩れが発生し、建設会社の事務所や隣接する経営者の自宅が流され、経営者の家族とベトナム人の技能実習生2人の合わせて4人の行方が分からなくなっています。
技能実習生の2人のうち、ベトナム中部タインホア省にあるチャン・コン・ロンさん(23)の出身地では、家族や近所の人たちが、今も行方が分からないロンさんを心配していました。
ロンさんの家族によりますと、家族はロンさんが日本に行ったことし2月から、毎日のように電話で話していたということですが、今月6日の電話で、ロンさんから「台風だから避難する」と話しがあったあと、連絡が取れなくなったということです。そして、その2日後の今月8日、ロンさんを日本に派遣した機関から、「ロンさんが行方不明になっている」と連絡を受けたということです。

ロンさんはベトナムで働いていましたが、家を建てた際の借金の返済などのため、家族の反対を押し切って日本に行ったということです。
ロンさんの姉のトラン・ティ・センさんは「ロンが行方不明と聞いた時、ことばを失いました。弟が生きているか亡くなったのか、まだ情報はないですから、家族は弟が必ず生きていると信じています。行政の皆さんには弟を捜す努力を続けてほしい」と涙ながらに訴えました。

母国でも報道

台風10号の大雨による土砂崩れで、技能実習生のベトナム人2人が行方不明になっているというニュースは、母国ベトナムでも報じられています。

日本で報じられてまもなく、ベトナムの地元メディアも、2人はそれぞれ、中部のタインホア省とゲアン省の出身で、地元の警察が捜索活動をしていると伝えていました。

ベトナム政府によりますと、去年、ベトナムから海外に渡った労働者は15万2000人余りですが、このうち半数を超える8万2000人余りが日本に渡ったということで、ベトナム人にとって日本は海外で仕事を見つけるための主要目的地の1つになっています。

ベトナム国営通信は台風10号の接近に備え、福岡にあるベトナム総領事館がベトナム人コミュニティに向けて警戒するよう呼びかけていたと伝えています。

行方不明のベトナム人2人 椎葉村初めての技能実習生

行方不明となっているベトナム人のチャン・コン・ロンさん(23)とグエン・ヒュー・トアンさん(22)は、椎葉村に初めてきた技能実習生で、ことしの春から村で働き始めたばかりでした。

2人は、真面目で素直な性格で道路の補修などの仕事に熱心に取り組み、村に溶け込んでいたといいます。

2人を知る男性は「地域のミニバレーボールで一緒になりましたが、元気がよく、すばらしい若者たちだと思っていました。早く見つかることを祈っています」と話していました。

また、村議会議員を務める男性は「2人とも真面目で元気な好青年で、この前、特別定額給付金の10万円を受け取った時は自分では1円も使わず、ベトナムの家族に送金したと聞き、なんて親孝行なんだと驚きました。一刻も早く見つかってほしいです」と話していました。

ふるさとベトナムから遠く離れた場所で、頑張る2人の姿を見てきただけに村民からは、一刻も早い発見を待ち望む声が多く聞かれました。

捜索態勢 大幅に縮小

行方不明の4人の捜索は、今月7日の被害の確認以降、警察や地元の消防団など多いときで1日280人の態勢で行われてきました。

捜索範囲も土砂で埋まった現場や近くを流れる十根川とその流域、それに下流のダムなど、隣の諸塚村まで広げて捜索が続けられてきました。

しかし、4人の発見には至らず、村はできるかぎりの捜索は行ったとして行方不明者の家族などの承諾を得て、15日で大規模な捜索を終了しました。

16日からは規模を大幅に縮小しましたが、地元の消防団などを中心に川やダムなどでの捜索が続けられています。