世界の観光業 6月までの半年で48兆円余損失 新型コロナ影響

世界の観光業 6月までの半年で48兆円余損失 新型コロナ影響
UNWTO=国連世界観光機関は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、海外旅行に出かける人が減ったため、世界の観光業の損失がことし6月までの半年間で48兆円余りに上ると発表しました。
UNWTOが、15日に発表したまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染拡大で各国の間で人の移動が制限されたことを受けて、ことし1月から6月にかけて海外旅行に行った人は、前の年の同じ時期と比べて4億4000万人減りました。

5月中旬以降は、徐々に移動制限を緩和する地域もありましたが、夏のバカンスシーズンに期待された旅行者の増加は見られず、
地域別にみると、
▽南北アメリカで55%、
▽アフリカと中東でそれぞれ57%、
▽ヨーロッパで66%、
▽アジア大平洋では72%減少したということです。

こうしたことから、ことし1月から6月までの世界の観光業の損失は4600億ドル、日本円で48兆4000億円余りと、リーマンショック後の2009年の経済危機による損失のおよそ5倍に上るということです。

UNWTOは、世界の旅行者の数が去年の水準まで戻るには2年から4年はかかると予測していて、「各国政府が民間と緊密に連携し、観光業が再び活性化するよう協力することが急務だ」と呼びかけています。