第99代首相に菅義偉氏選出 各界の反応

第99代首相に菅義偉氏選出 各界の反応
自民党の菅義偉総裁が、第99代の総理大臣に選出され、新たな内閣が発足することについて、各界の反応です。

東京都 小池知事「国難を乗り越えられるよう連携を」

東京都の小池知事は、16日午前、都庁で記者団に対し「新政権が誕生するということで、お祝いを申し上げたい。コロナ禍で世界も混乱する中、この日本にとっても正念場だ。そして、コロナ禍と東京オリンピック・パラリンピックの開催という2つの大きなテーマを抱えている。新政権が東京とともに、この国難を乗り越えられるように連携をお願いしたい。新しい内閣に期待をして東京都としても菅政権と連携しながら進めていきたい」と述べました。

大阪府 吉村知事「万博相の新設に期待」

大阪府の吉村知事は、「菅総理大臣とは、大阪・関西万博にしても大阪の改革にしても、これまで関係を築いて進めてきた。もちろん是々非々で、おかしなところはおかしいと発信していきたいが、大阪の成長に必要なものは連携して進めていきたい」と述べました。

また吉村知事は、2025年の大阪・関西万博の担当大臣が新設されたことについて、「国として万博をしっかりと進めていくという意思の表れだと思うし期待している。できるだけ早く、井上大臣とお会いして、相互に情報共有しながら、大阪と日本の成長に資するよう成功させたい」と述べました。

経団連 中西会長「改革の強力な遂行 期待できる布陣」

経団連の中西会長は、「幅広い分野において前例にとらわれない改革の強力な遂行が期待できる布陣であると評価したい」というコメントを発表しました。

また、この中では、「今の喫緊の課題は新型コロナウイルスの感染再拡大の防止と経済の早期回復の両立だが、社会全体のデジタル化やエネルギー・環境政策の推進、自由で開かれた国際経済秩序の再構築など、内外に課題が山積している。持ち前の強力なリーダーシップを存分に発揮して、社会変革を進めてほしい」と求めています。

日本商工会議所 三村会頭「非常にバランス取れた陣容」

日本商工会議所の三村会頭は16日の定例会見で、「安心感が持てると同時に、要所要所でぜひとも改革を進めたいという思いも表れていて、非常にバランスが取れた陣容だ」と評価しました。

そのうえで「コロナと経済活動の両立に向けては、これから来年にかけてが非常に大切で、将来の日本を決する。強くて豊かな国ではないと国民を守れないので、そのためにはしっかりとした財政的な基盤とともに、企業の生産性を向上させなければならない」として、規制改革などによって社会のデジタル化を推進し、企業の生産性を向上させることに強い期待を示しました。

日本自動車工業会 豊田会長「経済成長を重視した政策を」

日本自動車工業会の豊田章男会長は「引き続き経済成長を重視した政策をとっていただきたい。幅広いすそ野を持つ自動車産業がわが国の戦略産業としてさらなる競争力を持つよういまだ高い自動車ユーザーの税負担を軽減していくとともに、将来のモビリティ社会を見据えた税制の在り方や規制緩和などに一層のご支援をお願いしたい」というコメントを発表しました。

全国地方銀行協会「再編 選択肢の1つとしてはあると思う」

全国地方銀行協会の大矢恭好会長は記者会見で「新型コロナウイルスの影響は、地方経済にとっても非常に大きなマイナスのインパクトがある。経済の再生と感染症対策の両立に期待したい」と述べました。

一方、菅総理大臣がこれまでの会見で地域経済の活性化策の一環として「地方銀行の再編も1つの選択肢になる」と指摘していることについて、大矢会長は、「日本は従来から『オーバーバンキング』だと言われ続けている。再編が地方経済の課題を解決する唯一の方法ではないが、選択肢の1つとしてはあると思う」と述べました。

日本証券業協会「今後も積極的な経済政策を期待」

日本証券業協会の鈴木茂晴会長は記者会見で「菅総理大臣は安倍政権の経済政策、『アベノミクス』の継承を明言している。今後も積極的な経済政策を期待したい」と述べました。

経済同友会 櫻田代表幹事「政治空白なくリーダーシップを」

菅内閣について、経済同友会の櫻田代表幹事はコメントを発表し「新型コロナウイルスの感染抑止と経済活動の両立に向けて、政治空白を生じさせることなく、強いリーダーシップを発揮することを期待したい」と求めています。

そのうえで「わが国には課題が山積している。新内閣は、政権を担当する間に実行すべき政策課題と優先順位を示したうえで、それぞれの数値目標や達成期限、そのプロセスについて国民に丁寧に説明してほしい」と求めています。

拉致被害者の家族会代表 飯塚繁雄さん「一刻も早く対応を」

加藤勝信氏が拉致問題担当大臣を務めることについて、北朝鮮による拉致被害者の家族会代表で、田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さん(82)は、「午前中に電話があり、『やります』とはっきり言っていたので期待したい。このままでは、肉親の帰国を待っている人が、みんないなくなってしまう。一刻も早く対応してほしい」とコメントしています。

横田めぐみさんの母親 早紀江さん「本気になって取り組んで」

北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母親の早紀江さん(84)が報道陣の取材に応じ、拉致問題担当大臣を務める加藤勝信氏から16日午後、電話があったことを明かしました。

そして、「『一生懸命頑張ります』とおっしゃったので、『よろしくお願いします』と答えました。私たちのことを考えてくださっているんだなと感じました」と話しました。

そのうえで、「私たちが望むのは『とにかく早く子どもを返してください』ということだけです。40数年もの間、娘の顔を見られず、声を聞くことができず、生殺しのような毎日です。被害者家族は高齢化し、このままでは誰も会えなくなる可能性がある。政府にはとにかく本気になって取り組んでもらいたい」と話していました。

松本京子さんの兄 孟さん「北朝鮮との交渉しっかり行って」

鳥取県米子市の拉致被害者、松本京子さんの兄、孟さんは、自民党の菅義偉総裁が総理大臣に選出される様子を自宅のテレビで見守りました。

孟さんは「官房長官時代に拉致問題の解決に向けいろいろな場面で会ってきたが、堅実に仕事を進める印象で仕事ぶりや態度に非常に好感が持てる」と述べました。

そのうえで、「拉致被害者が一日も早く日本に帰ってこられるよう北朝鮮との交渉をしっかり行い解決の糸口を見つけてほしい」と述べて、新政権での拉致被害者の早期帰国の実現を求めました。

有本恵子さんの父親 明弘さん「アメリカと連携し問題の解決を」

神戸市出身の拉致被害者、有本恵子さんの父親の明弘さん(92)は神戸市内の自宅でNHKの取材に応じ、「菅総理大臣は安倍元総理大臣からアドバイスを受け、アメリカと連携して拉致問題の解決に向けて取り組んでほしい」と述べました。

そのうえで、「自分も90歳を超え体調に不安を感じることもあるが、この問題が解決するのを見届けたいと考えているので、健康に気をつけて過ごしたい」と話していました。

蓮池薫さん「北朝鮮へ一歩踏み込んだメッセージを」

拉致被害者の蓮池薫さんは、「早期の拉致問題解決に向けて、北朝鮮へ一歩踏み込んだメッセージを一日も早く伝えていただきたい。具体的な行動がいつあるのか、期待を持って見守りたいと思います」というコメントを出しました。

東日本大震災の被災地 原発事故の被災地からは

東日本大震災で被災し、その後、再開した店舗などが入る宮城県南三陸町の商店街では復興の後押しを期待する声が聞かれました。
震災後に高台を造成して設けられた「南三陸さんさん商店街」で、鮮魚店を営む山内正文さんは、「東北出身ということで親しみがあります。内閣や復興大臣が代わっても、引き続き被災地で商売を続けられるよう、手厚い支援をお願いしたい」と話していました。
茶屋の店主を務める阿部忠彦さんは、「一度、商店街に来てもらい、今の被災地をじかに感じてほしいです。復興は道半ばなので、今後も支援が滞らないようにしてほしい」と話していました。
岩手県陸前高田市にある災害公営住宅の住民からは、東日本大震災からの復興に向け産業振興などで強いリーダーシップを期待する声が聞かれました。
陸前高田市の県営栃ヶ沢アパートは230世帯余りが暮らす県内最大の災害公営住宅で、去年11月時点で65歳以上のお年寄りが95世帯暮らしていて、このうち70世帯は1人暮らしです。
敷地内にある集会所で菅総裁が総理大臣に選出される様子をテレビで見守った自治会長の紺野和人さん(68)は「菅さんは同じ東北人で親近感がある。震災から10年を迎えるが、被災地では住民の高齢化や産業振興などの課題もある。菅さんにはぜひ、現地に足を運んでもらって住民の生の声を聞き、強力なリーダーシップで復興を進めてほしい」と話していました。
一方、1人で暮らしをしている菅野英子さん(83)は「災害公営住宅への入居後、近所の人にも助けてもらい生活が落ち着いたので今は特に望むことはありません。菅さんにはすぐに総理大臣を交代するようなことがないよう頑張ってほしいです」と話していました。
福島県の原発事故の被災地では、新しい内閣のもと、復興を前に進めてほしいという声が聞かれました。
福島県富岡町の60代の男性は、「長く官房長官を務めた方なので期待したいと思います。復興大臣になった平沢さんは福島にゆかりのある人で、ようやく初入閣となったので期待しています」と話していました。
富岡町の別の60代の男性は、「コロナを収束させ、経済を立て直してほしい。また、避難指示の解除や除染を早く進めてほしい」と話していました。
楢葉町の50代の男性は、「内閣の平均年齢が高くなったことを懸念しています。復興をしっかりと進めてほしい」と話していました。

長崎市 田上市長「核兵器禁止条約の署名・批准を」

長崎市の田上市長は、臨時の記者会見を開き、「核兵器禁止条約の批准国が50か国に近づき、近々、発効を迎えると思う。その中で、核保有国と保有していない国との橋渡しに取り組み、ぜひ被爆国としてのリーダーシップを発揮してほしい」と述べたうえで、核兵器禁止条約への署名・批准を菅政権にも求めたいという考えを示しました。

また、田上市長は、「地方では、新型コロナウイルス対策や人口減少、それにデジタル化といったさまざまな課題がある。地方の活性化に力を貸していただきたい」と述べました。

北方領土の元島民「島の返還に向けた道筋つけて」

安倍前総理大臣はロシアのプーチン大統領と首脳会談を重ねてきましたが、平和条約交渉で大きな進展は見られず、北方領土の元島民の高齢化が進む中、交渉をどう進展させるかも新政権の課題となっています。

元島民でつくる「千島歯舞諸島居住者連盟」根室支部長の宮谷内亮一さんは、「前の体制では安倍前総理大臣に領土交渉を頼り切ってきた印象がある。菅総理大臣と交渉の窓口である外務省、また、安倍氏の経験を生かして三位一体となって結果を出してほしい」と話しています。

元島民は平均年齢が85歳を超えていて、宮谷内さんは「元島民が1人でも生きているうちに島の返還に向けた道筋をつけ、元島民に寄り添いながら一歩でも半歩でも進めてほしい」と述べました。

7月の記録的豪雨で被災 熊本 人吉市からは

ことし7月の記録的な豪雨で大きな被害が出た熊本県の被災地、人吉市では、期待する声が聞かれました。

被災した親戚の家の片づけを手伝いに来た球磨村の70歳の男性は「人吉市や球磨村では今回の豪雨で大きな被害を受けたので、菅さんにはスピード感を持って復興や復旧に力を注いでほしいと思います」と話していました。

また、球磨川からあふれた水で自宅が全壊した人吉市の68歳の男性は、「たたき上げの菅さんには国民の生活の細かいところにまで目が届くような政策を打ち出してほしい。国が主導して行政を動かして、被災地の被害の実態を細かく把握し支援する仕組みを早く作ってほしいと思います」と話していました。

「基地問題 沖縄に配慮を」

菅内閣の発足について、那覇市では、期待の声がある一方、基地問題に関して沖縄に配慮してほしいといった声も聞かれました。

那覇市の60代の男性は「アベノミクスを継承し、経済面を成功軌道に乗せてほしい」と話していました。

沖縄県名護市に住む60代の女性は「秋田の農家出身ということで、全国各地の一人一人を踏まえた政策を行ってほしい。今はコロナで医療従事者が大変だと思うので、医療現場にもっと予算を使ってほしい」と話していました。

4人の子どもがいる那覇市の30代の女性は「沖縄は待機児童が多く、子どもが保育園に入りづらいので、子育て政策にもっと力を入れてほしい」と話していました。

基地問題に関して、南風原町に住む70代の女性は「基地問題で、もっと沖縄に配慮し、本土との差を改善してほしい」と話していました。

那覇市の60代の男性は「今まで基地問題がなかなか解決しなかったので、沖縄の話も聞いてもらい解決に向けて進めてほしい」と話していました。

さらに、沖縄・北方担当大臣に河野太郎氏が起用されることについて、那覇市の60代の男性は「英語もできて対等に交渉できると思うので期待している」と話していました。

JPC会長「東京パラリンピックへ引き続き支援を」

菅内閣が発足したことについて、JPC=日本パラリンピック委員会の鳥原光憲会長は「新型コロナウイルスの感染拡大が予断を許さず、社会経済全体に深刻な影響が広がっている状況下で、路線の継承、間断のない政策遂行を掲げて登場した菅総理の新内閣の発足を歓迎する」とするコメントを発表しました。

また、来年に延期された東京パラリンピックについて「大会招致から開催準備、そして前例のない1年延期の決断まで、政権の要として安倍内閣を支えてきた菅総理には、大会開催に向けた力強いリーダーシップと、引き続きの支援をお願いしたい」としています。

そのうえで「JPCは政府を中心に、関係機関と連携しながら、安全・安心な東京大会を確実に開催するため、準備を進める。何よりパラアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる環境作りに全力を挙げて取り組む」としています。

SNS上では 期待や不安などさまざまな投稿

菅内閣の発足をめぐって、SNS上では期待や不安などさまざまな投稿が見られました。

このうち新しい内閣の印象については、「半分期待半分不安新内閣って感じ」とか「代わり映えしないですね」「仕事をする内閣、各派への配慮等、微妙なバランスが絶妙に効いている」「コロナの影響を受けた失職者対応や雇用問題をいかに充実させるかを注目したい」など、期待と不安が入り交じるさまざまな投稿がありました。

一方、総理大臣と閣僚の平均が60.38歳の年齢については、「新内閣も高齢男性ばかり。これでは多様な国民への政策はつくれない」とか「いくつになっても優秀な人はいると思うけど、政治家は後任の育成みたいのはあまり重要視されないのか」「高齢ということは経験豊富ということ」などと受け止める投稿がみられました。

また、女性の入閣が20人中2人だったことについては、「女性の起用率が低い。やはりこれが日本の実情の一つだ」といった意見のほか、「女性の活躍=女性の登用ではない」といった投稿も見られました。