スポーツ庁の新しい長官にハンマー投げの室伏広治氏 就任へ

スポーツ庁の新しい長官にハンマー投げの室伏広治氏 就任へ
任期満了に伴うスポーツ庁の鈴木大地長官の後任に、オリンピックの陸上男子ハンマー投げの金メダリストで、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会のスポーツディレクターを務める室伏広治氏が就任することになりました。
これは11日文部科学省が発表しました。

来月1日付けでスポーツ庁の新しい長官に就任する室伏氏は、静岡県出身の45歳。

陸上男子ハンマー投げで4大会連続でオリンピックに出場し、2004年のアテネ大会で金メダル、2012年のロンドン大会で銅メダルを獲得しました。

競技を続けながら中京大学大学院で博士の学位を取得し、4年前に現役を引退しましたが、自身が持つ日本記録は今も破られていません。

現在は、東京大会の組織委員会で競技部門の顔として対外的な情報発信を担うスポーツディレクターを務めるなどしています。

スポーツ庁は、東京大会の開催が決まったあとの5年前に、競技力の強化や地域スポーツの振興などを進めるために設置され、初代長官を務める競泳の金メダリストの鈴木大地氏は、今月末までが任期となっていました。

室伏氏「感動するスポーツ界に」

室伏広治氏は、都内にある東京オリンピック・パラリンピック組織委員会で報道陣の取材に応じました。

室伏氏は、スポーツ庁長官の就任を決断した理由について、「スポーツはトップアスリートだけのものではない。人々の健康などさまざまな観点で社会に役に立つことができるならばすばらしい仕事だと思った」と述べました。

そのうえで「スポーツは健全な状態を保つからこそ楽しいし、フェアだからこそ楽しい。人々にどういったものが求められているのかを踏まえながら、感動してもらえるスポーツ界を目指したい」と抱負を述べました。

また、室伏氏が数々の功績を残したハンマー投げにちなんで、長官の任務はおよそ7キロの鉄球より重いかという質問に対しては、「はるかに重いと思う。皆さんの力を借りながら精いっぱいやりたい」と笑顔を交えて答えました。

菅官房長官「実績と識見持ち最適と判断」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で「室伏氏はわが国を代表するトップアスリートとしての経験があるとともに、スポーツ全般について優れた実績と高い識見を持ち、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会のスポーツディレクターなどの立場で高い組織マネジメント能力を発揮している。また、国内外のスポーツ関係団体との豊富なネットワークを持ち、次のスポーツ庁長官として最適だと判断した」と述べました。

萩生田文科相「優れた実績 次期スポーツ庁長官に最適任」

萩生田文部科学大臣は閣議のあとの会見で、新しくスポーツ庁の長官に就任する室伏広治氏について「わが国を代表するトップアスリートとしての経験があり、スポーツ全般に関して優れた実績と高い識見があることなどから、次期スポーツ庁長官に最適任と判断した」と述べました。

そのうえで、「来年に延期となった東京オリンピック・パラリンピックに向けたアスリートの強化、競技力の向上など、わが国のスポーツ行政の顔として、スポーツを通じた地域活性化や健康増進、国際的なプレゼンスの向上に尽力されることを期待する」と述べました。

橋本五輪相「スポーツの意義や価値広めていって」

橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「世界のトップアスリートで金メダリストであり、次世代の育成にも力を注いでこられた。組織委員会ではスポーツディレクターを務めていただき、そうした実績と経験を踏まえ、スポーツ庁長官として、スポーツの意義や価値を広めていってくれると思う」と述べました。

組織委 森会長「一緒に仕事ができることを頼もしく思う」

スポーツ庁の新しい長官に東京オリンピック・パラリンピック組織委員会のスポーツディレクターを務める室伏広治氏が就任することが決まったことについて、組織委員会の森会長は「組織委員会の発足以来、二人三脚で大会準備に取り組んできた室伏広治氏がスポーツ庁長官に就任されることを大変うれしく思います。今の時代に合った現在の会場計画を作り上げることができたのは室伏氏の尽力のおかげです。今後は日本のスポーツ行政のかじ取り役としてより大きな役割で東京大会に向けて一緒に仕事ができることを頼もしく思っています」などとするコメントを出しました。

鈴木大地長官「悔い残るが感謝」

スポーツ庁の新しい長官が室伏広治氏に決まったことを受けて、今月末で退職する鈴木大地長官がスポーツ庁で報道陣の取材に応じました。

鈴木長官は、初代の長官として務めたこの5年間を振り返り、「あっという間だったが、任期中にあった国際大会で日本の選手が活躍してくれてうれしかった。最後の東京オリンピック・パラリンピックの総決算が見届けられなかったのは悔いが残るが、貴重な経験をさせてもらい、まわりで支えてくれたことに感謝したい」と話しました。

後任の室伏氏については「組織委員会のスポーツディレクターで大会の中心にいた方なので、来年を迎えるに当たってこれ以上ない人選だ」と期待を込めました。

2代続けて、オリンピックの金メダリストが長官を務めることについては「まわりから金メダリストだという目で見られ、仕事がやりやすい部分もあり、やりにくい部分もあるかもしれない。プライドは忘れないようにしつつもメダルをぶらぶらさせるようなことはせずにやってほしい」とアドバイスを送っていました。