国連 新型コロナ対策の外出規制で地球温暖化止まらず

国連 新型コロナ対策の外出規制で地球温暖化止まらず
国連は、新型コロナウイルス対策の外出規制などで、世界全体の二酸化炭素の排出は一時的に減少したものの、地球温暖化は止まっていないとする報告書を発表し、対策を呼びかけました。
国連のグテーレス事務総長は9日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、WMO=世界気象機関などがまとめた地球温暖化についての報告書を発表しました。

それによりますと、新型コロナウイルス対策として各国が行った外出規制などで、ことし1年間の世界全体の二酸化炭素の排出量は、前の年に比べて4%から7%減少する見通しだとしています。

このうち4月はじめには、1日当たりの排出量が前の年に比べ17%減少したと推計しています。

ただ、排出量は、経済活動の再開とともに急速に戻っているとも指摘しました。

さらに、温暖化の原因となる大気中の二酸化炭素の濃度は上昇傾向が続いているほか、2016年からことしまでの5年間の世界の平均気温は、観測史上、最も高くなるとしています。

グテーレス事務総長は「地球の温暖化は止まっていない」と述べ、経済回復にあたっては、再生可能エネルギーへの投資など温室効果ガスの排出削減につながる対策を進めるよう各国に呼びかけました。