プロ野球とJリーグ 新型コロナでの観客数上限 緩和を要望へ

プロ野球とJリーグ 新型コロナでの観客数上限 緩和を要望へ
プロ野球とサッカーJリーグは新型コロナウイルスの対策連絡会議を開き、「感染状況が落ち着きつつある」として、現在5000人としている観客数の上限を緩和するよう、政府に要望することを決めました。
プロ野球とJリーグは、政府の分科会の方針に従って、今月末まで試合会場の観客数の上限を5000人としています。

7日の対策連絡会議では、専門家から全国の感染者の状況について「しだいに落ち着きつつある」という見解が示されたということです。

これを受け、プロ野球の斉藤惇コミッショナーは「次へのステップを考えたい」と話し、Jリーグとともに観客数の上限の見直しを求める要望書を作成し、近く政府に提出する考えを明らかにしました。

会議のあとの会見で東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「来年のオリンピック、パラリンピックに向けて、大規模イベントの感染対策の在り方は非常に重要なテーマになる。観客を少しずつ増やし、感染対策を同時にやっていくという方向性は、専門家チームも支持している」と話しました。

具体的には、観客数の上限を一律5000人から、球場やスタジアムの収容人数に応じた制限に移行するよう求めることにしていて、斉藤コミッショナーは「上限はスタジアムの収容人数に対する比率で考えてほしいとお願いしたいと思っている」と述べました。

また、Jリーグの村井満チェアマンは「地域によって感染状況が異なり、スタジアムの収容人数も異なる。感染対策と経済活動が並行できる現実的なラインを提言できたらと考えている」と話していました。

プロ野球とJリーグでは、それぞれの意見をまとめたうえで、8日にも政府に対する要望書を提出したいとしています。

プロ野球 観客1人の感染確認 濃厚接触者なしと判断

プロ野球は今シーズン、7月10日から観客を入れて試合を開催していますが、これまでに観客1人から新型コロナウイルスへの感染が確認されたケースがあったことがわかりました。

これは7日、Jリーグとの対策連絡会議のあとの会見で、プロ野球の斉藤コミッショナーが明らかにしました。

観客がみずから試合に訪れたあとの検査で陽性反応が出たと球団に連絡を入れ、保健所からは球場での濃厚接触者はいないと判断されたということです。

いつのどの試合かなどの詳細は個人情報に関わるとして公表しませんでした。

プロ野球のガイドラインでは、観客から感染者が出た場合、「自治体、保健所などと協議のうえ、感染拡大が懸念される場合、陽性感染者の座席情報を球団ホームページなどで迅速に公表し、近隣の座席購入者へ連絡する」としていますが、斉藤コミッショナーは「濃厚接触者がいないので、その必要はない」と説明しました。