WHO 「新型コロナのワクチン 分配開始は来年中頃の見通し」

WHO 「新型コロナのワクチン 分配開始は来年中頃の見通し」
新型コロナウイルスのワクチンについて、WHO=世界保健機関は現在の各国での開発状況から、来年中頃にはワクチンを公平に分配する国際的な枠組みで供給を始めることができるという現時点での見通しを明らかにしました。
WHOは、新型コロナウイルスのワクチンを発展途上国も含めた各国に公平に分配するため国際的な枠組みを立ち上げ、これまでに日本やイギリスなど78か国が資金の拠出を表明しています。

これについて、WHOの主任科学者のスワミナサン氏は4日、スイスのジュネーブで開いた定例の記者会見で、各国で開発中の複数のワクチンが臨床試験の最終段階となる第3段階に入っており、年末か来年初めには結果が判明するという見方を示しました。

そのうえで「現段階で現実的に考えて、来年の中頃には各国への供給が始まるだろう」と述べ、来年中頃には国際的な枠組みで供給を始めることができるという現時点での見通しを明らかにしました。

一方で、一部の国でワクチンの緊急投与などの動きが出る中、WHOのエイルワード事務局長補は「開発では加速できる過程もあるが、安全性や有効性を確認する過程は加速できない。確認には一定の時間がかかり、単純に急ぐことはできない」と述べ、慎重、かつ十分に安全性を確認すべきだという考えを示しました。