日豪印 経済担当相がテレビ会議 部品供給体制の強化で合意

日豪印 経済担当相がテレビ会議 部品供給体制の強化で合意
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日本とオーストラリア、それにインドの経済担当相がテレビ会議を行い、新型コロナウイルスの感染拡大で中国などへの依存度が高かった自動車部品などのサプライチェーン=供給網に影響が出たことからインド太平洋地域での供給体制を強化することで合意しました。
日本とオーストラリア、それにインドの経済担当相は1日、初めての会合をテレビ会議方式で開き、日本からは梶山経済産業大臣が出席しました。

冒頭、梶山大臣は「新型コロナウイルスによる危機の発生後、サプライチェーンの強じん化に向けて2国間、複数国間でさまざまな取り組みが行われている。今後、われわれの間でどのような形で協力を進めていくべきか、率直な意見交換を行いたい」と述べました。

会合では、新型コロナウイルスの感染拡大で中国などへの依存度が高かった自動車部品や医療物資などのサプライチェーンに影響が出たことを踏まえ、インド太平洋地域での供給体制を強化することで合意しました。

そのうえで、3か国が連携してサプライチェーンを強化するための新たな枠組みを年内に設け、ASEAN=東南アジア諸国連合などにも参加を呼びかけることにしています。

今回の会合は日本側の呼びかけで行われたということで、資源大国のオーストラリアやIT人材が豊富なインドと経済面での連携を深めていきたい考えです。

供給網強化のねらい

日本とオーストラリア、それにインドが協力する背景には新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに各国のサプライチェーンのもろさが露呈したためです。

ことしの通商白書によりますと、マスクや消毒液などの「個人用保護具」は、中国、ドイツ、アメリカが世界の輸出の4割以上を占め、春先の感染拡大で各国が輸出を制限したことから医療物資の不足が深刻になったとしています。

また、電気機械・電子部品では、世界の主要国の中でも日本の中国への依存度が最も高く中国の感染拡大で日本企業のサプライチェーンが寸断される状況が見られたと指摘しています。

このため、高い技術力を持つ日本、資源大国のオーストラリア、豊富な人材を抱えるインドという異なる強みを持つ国どうしが協力することで、インド太平洋地域のサプライチェーンを強化するのが今回の会合のねらいです。

また、アメリカと中国の先端技術をめぐる対立が激化し、半導体や通信機器などのサプライチェーンが寸断される懸念が強まる中、米中両国の応酬に自国の企業が翻弄される事態を避けたいというねらいもあります。