伊豆大島 新型コロナ 初めて4人の感染を確認 約400人検査へ

伊豆大島 新型コロナ 初めて4人の感染を確認 約400人検査へ
東京 伊豆大島の大島町で、4人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。伊豆大島で感染が確認されるのは初めてで、関係者によりますと、4人と接触した可能性があるおよそ400人について、今後、都が検査を行うということです。
大島町によりますと、31日からに1日にかけて、いずれも町内に住む30代の男性と女性、それに10歳未満の男児と女児の合わせて4人が新型コロナウイルスに感染したことを相次いで確認したということです。

伊豆大島で感染が確認されるのはこれが初めてで、町や都によりますと、4人の症状は微熱や鼻水がある程度で、いずれも軽症だということです。

町内には感染症に対応した病床がないため、4人は1日、ヘリコプターで本土の医療機関に搬送されました。

都は、子どもの通う学校や感染した人の職場の関係者など4人と接触した可能性があるおよそ400人について、検査を行うため1日から検体を採取する資材を島に運び込んでいます。

ただ、町内には感染したかどうかを判定する専用の機器がないため、採取した検体は本土の検査機関に運んで検査するということです。

東京の島しょ部では、ことし5月、御蔵島村で1人の感染が確認されていて、島しょ部の感染の確認はこれが2例目です。

三辻町長「感染が広がらないよう対策」

大島町の三辻利弘町長はNHKの取材に対して「まずは4人とも軽症でよかった。町内でどこまで感染が広がっているのかが分からないので、今は感染が広がらないように対策に努めていきたい。また、個人の特定や感染者への差別やひぼう中傷につながらないように呼びかけたい」と話していました。

島しょ部での新型コロナ対策

東京都の島しょ部には、大島町を含めた2つの町と、7つの村の合わせて9つの自治体がありますが、都によりますと、感染症に対応した病床があるのは八丈町の2床だけです。

こうした島しょ部でのぜい弱な医療体制を踏まえ、島に行く船や航空機では、乗船や搭乗前に客の検温を行うなどの対策が行われています。

東京などと伊豆諸島を結ぶ船会社では、船内を満席にせずに客を70%に抑えて席の間隔を空けるなど、「密」にならない対応をとっています。

このほか、都などは東京から小笠原村に向かう定期船「おがさわら丸」の乗客に、事前にだ液を提出してもらってPCR検査を行い、陰性の人だけ乗船できる対応を1日からとっています。

小笠原村までの24時間かかる航海中の船内と、その後の島内へのウイルスの持ち込みを水際で防ぐねらいです。

小池知事「住民の安心と健康を確保」

伊豆大島の大島町で、4人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたことについて、東京都の小池知事は記者団に対して「東京の島しょ部ではすでに水際対策などを行ってはいるが、しっかり島の住民の安心と健康を確保していく。早急にスピード感を持って検査を行い、住民が安心してもらえる体制で取り組んでいきたい」と述べました。