東京パラリンピック開幕まで1年 JPC会長「意義ある大会に」

東京パラリンピック開幕まで1年 JPC会長「意義ある大会に」
東京パラリンピックの開幕まで24日で1年になるのに合わせて、JPC=日本パラリンピック委員会の鳥原光憲会長はコメントを出し、「来年の大会が東日本大震災からの復興とともに世界がコロナウイルス禍を乗り越える象徴として、大きな希望をもたらす、より意義のある大会となるよう万全な準備に努めたい」と述べました。
そのうえで「コロナウイルス禍により日常が変わり、日々のトレーニングや全国的な大会機運の盛り上げに多くの困難が予想されるが、逆境にもめげずに道を切り開いてきたパラアスリートをはじめ、支える人や応援する人を含めたみんなの協力で難局を乗り越えなければならない。禍(わざわい)をプラスに転じる強い意志を持って、日本選手団の総合力の向上やパラスポーツ、ファンの広がりなどに努め、1年延期の価値を示せるようなすばらしい大会を目指したい。パラアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる環境づくりに全力を挙げる」とコメントしました。

森 組織委会長「大会成功を目指す力がわいてくる」

東京パラリンピックの開幕まで24日で1年になるのに合わせて、大会組織委員会の森会長はコメントを出し、「期待を胸に来年の大会に向けて準備を続けるパラアスリートの声が聞こえるたびに、大会成功を目指す力がわいてくる。コロナ対策を含め安心・安全な大会の実現に向けて引き続き国、都などと緊密に連携し準備を進める」と述べました。

そのうえで「来年のきょう、この難局を乗り越え、世界中のパラアスリートが最高のパフォーマンスを発揮し、人間の強さ、くじけぬ力を示すことが人類の団結の象徴として世界に大きな価値をもたらすと確信している」とコメントしています。

日本選手団団長「1歩ずつ進んでいきましょう」

東京パラリンピックの開幕まで1年になるのに合わせて、日本選手団の団長を務めるJPC=日本パラリンピック委員会の河合純一委員長が、選手に向けた動画を公開し「いまだ新型コロナウイルスの余波は続いており、選手たちは落ち着かない日々を過ごしていると思う。これまでのようにゴールを見据えて逆算しながらトレーニングをすることは難しく、本当に苦しんでいると思う。本来はあすが開会式で選手村は緊張感の中、大きな高揚感に包まれていたと想像すると残念な気持ちだ」と述べました。

そのうえで「このような状況だからこそ、われわれパラアスリートの真骨頂を発揮する時だ。『できない』ではなく、どうすれば『できるか』を追求し突き進む姿は、パラリンピックの価値を見事なまでに体現している。1年後、希望の炎が国立競技場にともされ、共生社会の象徴であり、人間の可能性の祭典である東京パラリンピックが、世界的な困難を克服した証しとして開催できることを信じて、1歩ずつ進んでいきましょう」とメッセージをおくりました。

官房長官「安心で安全な大会へ準備進める」

菅官房長官は、記者会見で、「東京パラリンピックについては来年8月24日から9月5日の間で開催され、競技スケジュールも決定していると承知している。政府としては、アスリートや観客にとって、安心で安全な大会になるよう、引き続き関係者との緊密な連携のもとに準備をしっかり進めていきたい」と述べました。

期待と不安の声

東京パラリンピックをPRする映像や開幕までの日数が表示される大型画面がある東京 新橋駅前では開催を待ち望む声がある一方で、新型コロナウイルスの影響を不安視する意見も聞かれました。

埼玉県の50代の女性は「新型コロナウイルスの影響で世界的にも落ち込んでいるから大会を開催することで明るい世の中にしてほしい。選手たちのすばらしいプレーは多くの人に感動を与えてくれると思う」と話していました。

また、高校3年生の男子生徒は「さまざまな人が出場する大会だし、障害がある人が脚光を浴びる機会だと思うから開催してほしい。車いすバスケットボールの迫力あるプレーを楽しみにしている」と話していました。

一方で、東京 品川区の61歳の男性は「新型コロナの感染状況を考えると開催できるか心配だ。日本だけではなく世界中から参加するし、感染が広まっている国も多いので不安はある」と話していました。

また、港区の31歳の女性は「パラリンピックの選手にはコロナに感染すると重症化しやすいというリスクもあるので、対策ができないのならば開催は危険だ。出場したい、開催してほしいという選手の気持ちも大切だが選手とその周りの人の命を優先すべきだと思う」と話していました。