米バイデン前副大統領「全米でマスク着用の義務化すべき」

ことし秋のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党 民主党のバイデン前副大統領は、副大統領候補に選んだハリス上院議員とともに新型コロナウイルス対策について専門家と会議を行い、今後、少なくとも3か月間、全米でマスクの着用を義務化すべきだという考えを示しました。
11月のアメリカ大統領選挙で民主党の正副大統領候補の指名を確実にしているバイデン前副大統領とハリス上院議員は13日、東部デラウェア州で新型コロナウイルス対策について公衆衛生の専門家などとテレビ会議を行いました。

バイデン氏は新型ウイルスについて定期的に専門家からブリーフィングを受けているということですが、ハリス氏を副大統領候補に選んだあとそろって参加したのは初めてです。

会議に先立ちハリス氏は、「ブリーフィングを受けてきたバイデン氏に早く追いつきたい」と意気込みを述べました。

非公開で行われた会議のあとバイデン氏は「今後、少なくとも3か月間、外出の際はマスクを着用するべきだ。全米での着用を直ちに義務化しよう」と述べ、全米での義務化までは必要ないとしているトランプ大統領との立場の違いを強調しました。

バイデン氏は、新型ウイルス対策をめぐってトランプ大統領が専門家の意見を軽視していると批判していて、ハリス氏とともにブリーフィングに臨むことで専門家の意見を踏まえて対応する準備ができているとアピールするねらいもあるとみられます。

トランプ大統領「科学的ではない」

これに対してトランプ大統領は13日の会見で「人との距離が取れない場合はマスクの着用を強く求めるが、アメリカ人には自由があるべきだ。バイデン氏のやり方は科学的ではない。新型コロナウイルスへの対応に政治を持ち込むべきではない」と述べ、マスクの着用を義務化する必要はないとあらためて強調しました。