お盆の墓参りは“代行” 新型コロナで様変わり

お盆の墓参りは“代行” 新型コロナで様変わり
新型コロナウイルスの感染拡大で8月のお盆の時期の帰省を控える人がいる中、宇都宮市では、石材店のスタッフが帰省できない人に代わって市内の霊園を訪れる「墓参りの代行」に例年の倍の依頼が寄せられています。
墓参りを代行しているのは、墓石などを扱う宇都宮市の石材店です。

13日は、石材店のスタッフが新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、帰省を控えた人に代わって市内の霊園を訪れました。

スタッフは、始めに依頼を受けたお墓の周りの雑草を刈り取りました。そして、墓石の汚れを丁寧に拭いて掃除し、花を供えて線香をあげ、手を合わせていました。

掃除したお墓は、最後に写真を撮影し、メールなどで依頼者に送るということです。

この会社では、高齢化などに伴い、5年ほど前からこのサービスを始めていて、毎年お盆の時期には10件ほどの依頼があるということですが、ことしは東京など栃木県外からの帰省を控える人が多く、例年の倍の20件ほどの依頼を受けているということです。

代行サービスを行っている、谷田部石材販売株式会社の谷田部修社長は「なかなかお墓参りに行けない方の気持ちをくんで、お客様の気持ちをご先祖様にお伝えするような気持ちで仕事をさせていただいている」と話していました。

タクシー会社が代行も

新型コロナウイルスの影響でお盆の帰省が難しくなる中、タクシー会社が墓参りを代行する新しいサービスが始まっています。

墓参りを代わりに行っているのは全国でタクシーを運行している「第一交通グループ」で、13日はタクシー運転手が名古屋市千種区の墓地を新潟市に住む女性の依頼を受けて訪れました。

運転手は墓に手を合わせた後、墓石を布で拭いたり、線香を供えたりしました。

女性は、毎年、お盆休みに名古屋市にある夫の実家に帰省し墓参りをしていましたが、ことしは新型コロナウイルスの感染を防ごうと帰省を自粛し、墓参りの代行を頼んだということです。

サービスの料金は行き先の墓から最も近い営業所までの間の片道料金に5000円を足した金額で、花を供える場合などは別途、費用がかかるということです。

タクシー運転手の岩間栄一さんは「お墓参りができないのは寂しいだろうと感じ、気持ちを込めてお参りしました。新型コロナウイルスの影響で移動の自粛が続くと思うので、お彼岸や年末年始もこのサービスを続けたい」と話していました。

墓参りの様子は運転手が撮影し、後日、依頼した人に送るということです。