ロシア 新型コロナワクチンを正式承認 安全性疑問視する見方も

ロシアのプーチン大統領は、国内で開発を進めてきた新型コロナウイルスのワクチンを政府として正式に承認したと明らかにしました。世界の感染者が2000万人を超える中、ワクチン開発は焦点となっていますが、欧米のメディアからは臨床試験のデータが公開されていないことなどから安全性や有効性を疑問視する見方が出ています。
ロシアのプーチン大統領は11日、政府内の会議で、国内で開発を進めてきた新型コロナウイルスのワクチンについて「世界ではじめてロシアでワクチンとして登録された」と述べ、正式に承認したと明らかにしました。

また、ゴリコワ副首相は、今月末か来月には医療関係者を最初のグループとして接種を始めたいという考えを示しました。

ロシアのワクチンをめぐっては、フィリピンのドゥテルテ大統領が提供を受ける考えを示していて、ロシアでワクチン開発を支援する政府系ファンドのドミトリエフ総裁もフィリピンなど5か国に提供する方針を明らかにしています。

一方で、今回承認されたワクチンは3段階ある臨床試験のうち第2段階までしか終わっておらず、最終段階の試験は今月12日から始めるということです。

臨床試験のデータなどは、今後公開していくとしていますが、今回のワクチンについては、アメリカのCNNやイギリスのBBCといった欧米のメディアのみならず、ロシア国内の医療関係者からも、不明な点が多いことなどから安全性や有効性を疑問視する見方が出ています。