香港警察 民主活動家の周庭氏を逮捕 香港複数のメディア

香港警察 民主活動家の周庭氏を逮捕 香港複数のメディア
香港の複数のメディアは日本でも知られる民主活動家の周庭氏が香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕されたと伝えました。警察は周氏を含め、中国に批判的な論調で知られる新聞の創業者など、1日で合わせて10人を逮捕していて、国際社会の批判がさらに強まることが予想されます。
香港の警察は10日、23歳から72歳までの男女10人を香港国家安全維持法に違反した疑いなどで逮捕したと明らかにしました。

警察は10人が、香港や中国の政府に制裁を科すよう、外国に呼びかけたり、こうした活動を支援したりしたとして、外国の勢力と結託して国家の安全に危害を加えた疑いがあるなどとしています。

香港の複数のメディアは、この10人の中に、民主派団体「香港衆志」の元メンバー、周庭氏が含まれていると伝えています。

周氏は流ちょうな日本語で香港の民主化運動への支援を訴えてきたことで日本でも知られていますが、所属していた団体はことし6月末に香港国家安全維持法が施行された当日に解散を発表しています。

また、逮捕者には、中国に批判的な論調で知られる香港の新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏も含まれていて警察官およそ200人が、新聞社内を捜索しました。

香港国家安全維持法の施行後、政治活動や抗議活動への締めつけが強まっており、今回、著名な活動家や実業家が逮捕されたことで、国際社会の批判がさらに強まることが予想されます。

米国務長官「深く憂慮」

香港の新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏が逮捕されたことについて、アメリカのポンペイオ国務長官はみずからのツイッターに、「深く憂慮している」と投稿しました。

そのうえで、「中国共産党が香港の自由を奪い、人々の権利をむしばんでいることのさらなる証拠だ」として、中国政府を強く非難しました。

また、対中強硬派として知られるマルコ・ルビオ上院議員もツイッターに、「これからさらに多くの人々が逮捕されることが予想される。世界の自由主義国家は、危険な状況下に置かれている香港の人々に安全な場所を提供するために、迅速に対応しなければならない」と書き込み、アメリカ政府や同盟国に対し、香港市民を守るための対応を求めました。

民主活動家 羅氏「日本の皆様のサポートが必要」

周庭氏が、香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕されたと複数の香港メディアが報じたことについて、法律の施行に反対してイギリスに渡った民主活動家の羅冠聡氏は、ツイッターに「世界は何が起きているのかを注視してほしい」と投稿しました。

さらに日本語でも、「彼女は無罪だが、無期刑を受ける可能性がある。日本の皆様のサポートが必要です」と投稿して、日本からの支援を呼びかけました。

EU報道官 「表現と報道の自由を抑えつける」と懸念

中国に批判的な論調で知られる香港の新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏らが逮捕されたことについてEU=ヨーロッパ連合の報道官は10日、声明を出し、「外国の勢力と結託したとして逮捕されたことは、香港国家安全維持法が表現と報道の自由を抑えつけるために用いられているとの懸念をいっそう強く抱かせるものだ」と非難しました。

その上で「香港の人たちの既存の権利と自由は完全に守られなければならない」として「一国二制度」の原則を守るよう改めて求めました。