高校野球 きょうから交流試合 センバツ出場32校 1試合ずつ対戦

高校野球 きょうから交流試合 センバツ出場32校 1試合ずつ対戦
ことしのセンバツ高校野球に出場が決まっていた32校を甲子園球場に招いて、各校が1試合ずつ対戦する交流試合が10日から始まります。
交流試合は、日本高校野球連盟が中止となったことしのセンバツ大会に出場が決まっていた32校の救済策として開催を決めました。

10日から3日間と15日からの3日間の合わせて6日間、甲子園球場で各校が1試合ずつ対戦します。

新型コロナウイルスの感染が再び拡大するなか、日本高野連は感染防止のためのガイドラインを設け、試合では水分補給で飲み回しをしない、マウンド上で集まる際はグラブを口に当てる、素手でのハイタッチや握手を控えるなどの対策がとられます。

また、チームの移動や宿泊についても、貸し切りバスで行うことを原則とすることや最大2泊までとし、大浴場は使わないなど細かいルールが定められています。

さらに控えの部員や保護者などに限って認めたスタンドでの観戦についても、2メートル以上の間隔をあけ大声を出さず、拍手で応援する、楽器などは持ち込まないとしています。

高野連では交流試合の開催を「挑戦」と位置づけていて、最大限の感染防止策を講じながら高校生にとって集大成の場をどう運営するかは、野球に限らず今後の高校スポーツの全国規模の大会の実施に向けて大きな注目を集めます。

交流試合1日目のみどころ

甲子園球場で行われる高校野球の交流試合が10日開幕し、開会式に続いて2試合が行われます。

開会式直後の第1試合は、大分商業と埼玉の花咲徳栄高校が対戦します。
大分商業は、エースでキャプテンの川瀬堅斗投手が140キロ台中盤のストレートと大きく曲がるカーブなど緩急を使ったピッチングでチームを引っ張ります。
一方、花咲徳栄はキャプテンの井上朋也選手を中心にした強力打線が持ち味です。

第2試合は、高知の明徳義塾高校と鳥取城北高校が対戦します。
明徳義塾の注目は、左投げのエース、新地智也投手で、スライダーやカーブなど多彩な変化球をコントロールよくコーナーに投げ分けます。
鳥取城北は機動力が持ち味で、去年秋の公式戦では1試合平均3.25個の盗塁をマークしました。

例年と異なる試合形式、延長戦、スカウト

今回の交流試合は、例年のセンバツや夏の大会とは違う形で開催されます。

まず、トーナメント方式で優勝を争うのでなく、招待を受けて出場する32校がそれぞれ1試合のみを戦います。1日最大3試合、合わせて16試合が実質6日間で行われ、開催期間は、同じ時期に行われてきた夏の大会の半分以下となります。

また、ベンチに入ることができる選手は20人で、いつもの18人より2人多くなっています。1人でも多くの選手に出場の機会を与えるためです。

さらに延長戦の戦い方も異なります。ノーアウト一塁二塁から攻撃を始めるタイブレークを3イニング早く10回から始めます。新型コロナウイルスの影響で休校が長引いたことで練習時間が確保できなかったチームが多く、選手の体力不足が懸念されることに加え、試合時間を短くして、できるだけ感染のリスクを抑えるねらいもあります。

このほかスカウトについて、プロ野球が各球団2人以内、大学や社会人などは各チーム1人の入場が認められました。多くの試合の機会を失っていた選手たちにとっては貴重なアピールの場にもなります。

会場や選手、感染者の感染対策は?

日本高校野球連盟は交流試合の開催に向けて、新型コロナウイルスの感染防止対策のガイドラインを設けています。

ガイドラインでは3密を徹底的に回避することや、大会関係者が開催2週間前から健康状態や行動履歴を記録することを原則としたうえで、試合会場や出場校の対策が示されています。

このうち試合会場では、会場に入るすべての人に対して入場前に必ず検温を行い、37度5分以上の熱があった場合は入場できないとするほか、運営のスタッフにはマスクの着用を義務づけます。また、不特定多数が接触するベンチや周辺の手すりなどは試合ごとに消毒するとしています。

出場校に対しては、試合中の対応として水分補給で飲み回しをしない、マウンド上で集まる際はグラブを口に当てる、素手でのハイタッチや握手を控えることなどを求めています。

移動や宿泊についても貸し切りバスで行い、移動中は熱中症に配慮しながらマスクの着用を原則とすること、最大2泊までとし、大浴場は使わない、シングルルームの使用や個別配膳の食事が望ましいなどとしています。

さらにスタンドでの観戦は、控えの部員と教職員、部員1人につき5人以内の家族に限って認められましたが、2メートル以上の間隔をあけ大声を出さず、拍手で応援するとしたうえで楽器や応援ボードなどの持ち込みを禁止としました。

このほか例年の春や夏の大会とは違って、開会式は最初の試合で対戦する2校のみが参加する形で行われ、甲子園の風物詩にもなっている負けたチームによるグラウンドの「土集め」も試合後、チームの入れ替えを接触を避ける形で速やかに行うとして控えてもらうことになっています。