アフリカ 感染者100万人超に 経済活動再開で感染拡大

アフリカ 感染者100万人超に 経済活動再開で感染拡大
新型コロナウイルスの感染の拡大が続くアフリカでは、大陸全体の感染者数が100万人を超えました。アフリカでは経済活動の再開とともに感染が拡大していて、WHO=世界保健機関は今後も感染が長期的に広がり続けると警戒を強めています。
AU=アフリカ連合のまとめによりますと、アフリカ大陸全体で9日までに新型コロナウイルスへの感染が確認された人は、102万2000人余りと100万人を超えました。中でも感染が深刻なのは南アフリカで、54万5000人余りと全体の半数以上を占めています。

南アフリカでは、貧富の格差を背景に貧困層の暮らしが打撃を受ける中、政府はことし5月以降、段階的に外出制限を緩和し、経済活動を再開させていますが、それと共に感染が拡大し、病院では医療体制のひっ迫が伝えられています。

こうした状況を受けて、WHOは公衆衛生などの専門家を南アフリカへ派遣し、地方を中心に対策の支援に当たるということです。

その一方、アフリカでは若い世代が人口構成の中心となっていることから、世界のほかの地域と比べて亡くなる人の割合が少ないと言われているほか、南アフリカでも最近になって一部の州で新たな感染者数が減少に転じ始めていると分析されています。

ただ、WHOアフリカ地域事務局のモエティ事務局長は「各国で外出制限などの緩和が進んでいてウイルスとのせめぎ合いは長期化せざるをえない」と述べ、対策を一層、強化するよう各国に呼びかけています。

コンゴ 感染予防に日本の支援も

アフリカで新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本の支援が感染予防に役立っています。

アフリカ中部のコンゴ民主共和国の首都キンシャサの街角に登場した「自動手洗い装置」です。

装置の前に人が立つとセンサーが自動で体温を測り、蛇口に手をかざすと水やせっけん水が出てきます。

電源は太陽光発電を活用し、電気のないところにも設置することができます。

開発したのは、キンシャサにある職業訓練学校で教えるコンゴ人の教師たちです。

この学校は6年前に日本の支援で新しい校舎が建てられました。

教師たちは現地に派遣されてきた日本の専門家から学んだ自動制御や溶接などの技術を生徒に教えています。

世界で最も経済的に貧しい国の一つであるコンゴでは、人口8000万人余りのおよそ半数が自宅などに手を洗う設備がなく、感染を予防するうえで課題となっています。

こうしたことから、教師たちは日本から学んだ技術で貢献したいと装置の開発と製造に着手し、ことし5月、最初の装置がスーパーマーケットに設置されたのに続き、これまでに病院や公共施設などの入り口に18台が設置されました。

今後も設置者が費用を負担するなどして、全国に90台以上の装置が設置される計画です。

市民からは「手を触れずに体温が測れたり手を洗えたりするので感染予防に役立つ」といった声が出ています。

コンゴで活動するJICA=国際協力機構の柴田和直事務所長は「コンゴでも貧困層の暮らしや経済を守るために外出制限などが順次緩和され、感染が広がっている。それだけに予防の推進が重要で、日本としても貢献していきたい」と話しています。

ガーナ 日本支援の「野口記念医学研究所」が拠点

日本による息の長い支援が、アフリカにおける新型コロナウイルス感染対策の拠点として活用されています。

西アフリカのガーナの首都アクラには日本の支援で1979年に設立された「野口記念医学研究所」があります。

黄熱病の研究で現在のガーナを訪れ、1928年に亡くなった細菌学者の野口英世の業績を引き継ぎ、西アフリカにおけるトップレベルの医学研究所として国際的に評価されています。

研究所は現在、新型コロナウイルスの検査で中心的な役割を担い、120人の職員が24時間体制で、JICA=国際協力機構の支援などで保有する4台のPCR検査機をフル稼働させて検査を行っています。

ことし3月以降、国内で行われた検査のおよそ8割に当たる30万件以上を担当したほか、近隣の国の抗体を受け入れたこともあるということです。

ただ、最近は検査数の増加で試薬が不足し、地方で検査が中断しているために研究所に検体が集中し、作業に遅れが出ているということです。

JICAガーナ事務所の小澤真紀次長は「日本の長年の支援が今回のコロナ対策で役立っていて、今後も息の長い協力を続けていきたい」と話しています。