コロナ入院患者の死亡率 国内は英米より低い 解析結果が公表

コロナ入院患者の死亡率 国内は英米より低い 解析結果が公表
新型コロナウイルスに感染し、国内の医療機関に入院した患者2600人余りのデータを解析した結果が初めて公表され、入院時に軽症や中等症だった人のうち、およそ2%の人が重症化していた一方、入院患者のうち、亡くなったのは7.5%と、20%を超えているイギリスやアメリカのデータより大幅に少ないことがわかりました。
新型コロナウイルスの治療の中核を担っている国立国際医療研究センターは、ことし3月から先月上旬までに全国227の医療機関に入院した2638人分の患者の経過などを解析した結果を6日、公表しました。

それによりますと、入院時には患者全体の68.1%にあたる1796人は軽症や中等症で、呼吸状態が悪く重症だったのは、31.9%にあたる840人でした。

入院時に重症だった人のうち、22.9%にあたる192人は人工呼吸器やECMOと呼ばれる人工心肺装置が必要になったほか、軽症や中等症だった人でも、1.7%にあたる31人は重症化して、こうした装置が必要になっていました。

また、人工呼吸器やECMOが必要になった患者のうち、67.7%は60代以上だったほか、持病の別で見ると、糖尿病の人が36.8%、高血圧が27.8%、高脂血症が16.1%などと、高齢者や一定の持病のある人は重症化しやすいとしています。

一方で、入院患者のうち、亡くなったのは197人、率にして7.5%で、死亡率は20%を超えているイギリスやアメリカ・ニューヨークの3分の1ほどでした。

国内で患者の大規模なデータを解析した結果が公表されるのは初めてで、国立国際医療研究センターは「データは医療体制の備えにも役立つ。今後もデータの解析を続け、重症化に関わる因子や有効な薬の開発、それに長期にわたる患者への影響についても調べていきたい」と話しています。