お盆休みの帰省 自粛や慎重な検討呼びかける自治体相次ぐ

お盆休みの帰省 自粛や慎重な検討呼びかける自治体相次ぐ
新型コロナウイルスの感染が広がる中、お盆休みの帰省について、自粛や慎重な検討を呼びかける自治体が相次いでいます。

“自粛や慎重検討を”

愛知県の大村知事は5日の記者会見で、6日から県独自の緊急事態宣言を出して、お盆休み期間中の不要不急の行動や帰省などの県をまたぐ移動を自粛するよう要請する考えを表明しました。

具体的には、お盆休みの期間中の帰省について、もう一度、家族と検討することや、体調がすぐれない場合は帰省や旅行を控えること、帰省や旅行先でも体調管理と感染防止対策を徹底することなどを呼びかけています。
熊本県は4日、5段階で評価する「リスクレベル」を最も高い「特別警報」に引き上げたうえで、蒲島知事が「これまでで最も危機的な状況で、家族や親戚、友人に対して本県に帰省するのを控えるよう伝えていただきたい」と呼びかけました。
福井県では杉本知事が4日の会見で、「東京都からの帰省については自粛してほしい。人口当たりの感染者が多い地域との往来も慎重に判断してもらい、もし来た場合でも家族間で感染防止策を取ってもらいたい」と呼びかけました。
山梨県では4日、長崎知事が「帰省を否定するものではないが、リスクを考えたうえでもう1度家族で相談してほしい。高齢者や持病がある人など重症化リスクの高い人が家族にいる場合は帰省について慎重のうえに慎重を重ねて検討してほしい」と述べて、慎重な判断を求めました。

感染対策の徹底を呼びかける自治体も

また一律に、帰省を自粛することまでは求めないものの、感染対策の徹底を呼びかけている自治体もあります。

和歌山県の仁坂知事は4日の会見で「毎日状況が変わっているが、帰省をやめましょうと言うつもりはない」と述べたうえで、帰省先で多くの人が集まって会食することは控えるよう呼びかけました。
青森県の三村知事は4日、「現状では一律に自粛をお願いするようなことはできるかぎり避けたい」と述べ、感染対策を徹底したうえで帰省するよう呼びかけました。

そのうえで「健康や経済などいろいろ奪われたが、心まで奪われてもいいのか。お盆はそれぞれのふるさとで、いろんな意味で心を取り戻す期間になればいいと思う」と話しています。

都民の判断 分かれる

感染が相次ぐ東京の人たちは、お盆休みの帰省についてどう考えているのか。帰省する人しない人、それぞれに話を聞きました。

秋田県出身の20代女性は「万が一、家族や友人にうつして迷惑を掛けることは避けたいので、帰省せずにアルバイトをする予定です。帰省について慎重な検討を求めるのは理解できます」と話していました。

岩手県出身で40代の会社員の男性は、「親が高齢で万が一のことがあったら怖いので、東京の自宅で過ごします」と話していました。

一方で、感染に気をつけながら帰省するという人もいます。

石川県出身で20代の会社員の男性は、「最初は迷いましたが、帰省することにしました。ただ、実家に顔を見せる程度でおじいちゃんやおばあちゃんには会わないつもりです」と話していました。

栃木県出身で20代の男子大学生は、「年に1度は必ず実家に帰っていたし親も帰ってこないでとは言わなかったので今回も帰省します。ただ若干不安なので、マスクを着用しごはんを食べるのも少人数にするなど、感染対策は徹底したいと思います」と話していました。