北方領土元島民らが上空から慰霊へ 新型コロナで異例の対応

北方領土元島民らが上空から慰霊へ 新型コロナで異例の対応
新型コロナウイルスの感染拡大で、北方四島との交流事業の見通しが立たないことから、北海道がチャーター機で北方領土に近い沿岸部を飛行し、元島民らに上空から慰霊してもらう事業を計画していることが分かりました。こうした事業を行うのは初めてで、極めて異例の対応です。
ビザなし交流や墓参などの北方四島との交流事業は例年5月から10月にかけて行われ、去年は年間で延べ1000人余りが島に渡りましたが、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大で当面実施を見合わせていて今後の見通しも立っていません。

関係者によりますと、元島民から実施を求める声が相次いでいることを受けて北海道は独自にチャーター機を出して知床半島から根室半島にかけての沿岸部を飛行し、元島民らに上空から慰霊してもらう事業を計画しているということです。

具体的には、ことし10月から11月にかけて元島民とその子どもや孫合わせておよそ100人が参加して5回に分けて実施し、およそ1時間、国後島と歯舞群島をのぞむ空域を飛行する方向で最終的な調整を進めています。

今回の計画は、上陸はしないものの元島民らに少しでも島に近づいて慰霊してもらおうという極めて異例の対応で、北海道は今後外務省と詰めの協議を行ったうえで実施したい考えです。