新型コロナ 入院患者 約1か月で5倍以上に ベッド使用率も上昇

新型コロナ 入院患者 約1か月で5倍以上に ベッド使用率も上昇
先月29日の時点で新型コロナウイルスに感染して入院していた患者は全国で4034人にのぼり、およそ1か月間で5倍以上に増加したことが、厚生労働省のまとめで分かりました。

入院患者

厚生労働省は、先月29日の時点での全国の入院患者の数などを取りまとめました。

それによりますと、全国の入院患者は合わせて4034人で、先月1日の時点を3338人上回りました。

このうち
▽東京都の入院患者は1250人で、先月1日時点のおよそ4.2倍に増加しています。
また、
▽大阪府は534人で、先月1日時点の20.5倍に、
▽埼玉県は243人で、先月1日時点の3倍に、
▽愛知県は195人で、先月1日時点の65倍に、
▽福岡県は183人で、先月1日時点の11.4倍に、
▽兵庫県は148人で、先月1日時点の24.7倍に、
▽神奈川県は145人で、先月1日時点の2.8倍に、
それぞれ増加しました。

ベッド使用率

これに伴い、確保されているベッド数に対する入院患者の割合も上昇しています。

▽東京都はおよそ37.9%で、先月1日より28.9ポイント上昇しました。
▽大阪府は42.5%で、先月1日より40.5ポイント上昇、
▽埼玉県が40.4%で、先月1日より26.9ポイント上昇、
▽愛知県が39%で、先月1日より38.4ポイント上昇、
▽福岡県が37.3%で、先月1日より36.9ポイント上昇、
▽兵庫県が22.7%で、先月1日より21.6ポイント上昇、
▽神奈川県が7.3%で、先月1日より4.8ポイント上昇しました。

加藤厚労相「負担が増えているという声も出ている」

加藤厚生労働大臣は、4日の閣議後の会見で、「国全体として見ればベッド数はひっ迫した状況にはない」と述べたうえで、「医療現場からはベッドを確保していても、いざ受け入れとなれば、多くの人が対応しなくてはならず、負担が増えているという声も出ている」として状況を注視する考えを示しました。

感染症学会理事長「市中でウイルス広がりつつあること示す」

日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は、検査で陽性となる人の割合が上昇していることについて「濃厚接触者の検査を徹底し、無症状の人も含めて多くの感染者を見つけられている点もあると思うが、全体的な状況を見ると、地方も含めて市中にウイルスが広がりつつあることを示していると思う」と指摘しています。

また、入院患者が増加していることについては、「特に東京ではベッドがどんどん埋まってきて厳しい状況になっている。また、地方ではベッド数が少なく、簡単には増やせないというところもある。重症者は少ないものの、急激に患者が増えれば、それだけ医療機関に大きな負荷がかかってしまうので、注意が必要だ」と話していました。