子どもの夏かぜ 注意点は 新型コロナと迷ったときは

子どもの夏かぜ 注意点は 新型コロナと迷ったときは
これからの時期、注意が必要な子どもの夏かぜは高熱やのどの痛みが特徴です。専門家に症状と注意点、そして新型コロナウイルスの感染と判断が迷った際の対応について聞きました。

話を聞いたのは、子どもの感染症に詳しい、国立成育医療研究センター感染症科診療部長の宮入烈医師です。宮入医師は「ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜熱が子どもの“三大夏かぜ”とも言える」と話しています。

ヘルパンギーナ 39度から40度の高熱も

ヘルパンギーナの症状は、およそ39度から40度の高熱が1日から3日前後続くことがあり、のどが赤く腫れ、水ぶくれや潰瘍ができ、強い痛みが出ます。

宮入医師は「のどに刺激があるものは控え、プリンやゼリーなど飲み込みやすいものをあげてください。注意してほしいのが、のどの痛みで水分が取りにくいためにおこる脱水症状です。ぐったりしていたり、おしっこが長時間出なかったりしたらすぐに医療機関を受診してください」と話しています。

手足口病 発疹ができるのが特徴

手足口病は口の中や手のひら、足の甲、それにひざなどに2、3ミリほどの盛り上がりのある水ぶくれを伴う発疹ができるのが特徴です。

発熱はないことも多いですが、発疹は数日で赤みを伴って大きくなり数が増えたあと、1週間ほどで赤みが軽くなり自然に消えます。しかし治まったころに爪がはがれることもあるということです。

宮入医師は「手足口病とヘルパンギーナの原因となるウイルスは髄膜炎をおこすおそれがあります。頭痛やめまい、それに吐くなどの症状が出たらすぐに医療機関を受診してください。また、手足口病は大人が初めて感染した場合は症状が重くなることがあります」と話しています。

咽頭結膜熱(プール熱) のどの痛み 39度前後の高熱

咽頭結膜熱の症状は、のどの痛み、目の充血、39度前後の高熱で、熱は数日から長ければ1週間ほど続きます。

宮入医師は「プールで感染することがあり、プール熱とも呼ばれています。目やにが出たり、まぶしさを訴えたりすることもあります」と話しています。

予防はせっけんでの手洗い

予防や感染を広げない工夫については「夏かぜの原因となるウイルスはアルコールが効きにくいとされていて、せっけんなど使って手を流水で洗うことが有効です。タオルやおもちゃを共有しないことやお風呂に入る順番はかぜにかかった子どもを最後にするという工夫もあります」と話しています。

また新型コロナウイルスに感染したか、夏かぜか、判断を迷う場合は受診前に医療機関に連絡してほしいということです。その際学校や保育園などでどんな感染症がはやっているか、子どもに発疹があるかなど症状を詳しく伝えてほしいと話しています。

また、新型コロナウイルスの影響もあり受診を控えたい人もいるかもしれないが、発熱がある場合などは各自で判断せず、まず相談をしてほしいと話しています。