混雑回避策が加速 飲食店や小売店で 新型コロナウイルス

混雑回避策が加速 飲食店や小売店で 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの感染者数が増加する中、飲食店や小売店の間で、混雑を避けて営業を続けるため、利用客に来店の時間や順番を割りふるシステムを取り入れる動きが広がっています。
来店時間や順番を割りふるシステムは、銀行や役所の窓口などに導入されていますが、最近は新型コロナウイルスの対策で取り入れる飲食店や小売店が相次いでいます。

新潟市のデパートは、9月に開く物産展で会場の混雑を避けるためにこのシステムを活用する考えです。

入場の順番を割りふるだけでなく、おおよその待ち時間も知らせる仕組みを準備しています。

新潟三越伊勢丹の三崎敬さんは「お客さまに来てもらいながらも、安全性を担保する取り組みがますます重要になっています」と話しています。

山梨県のほうとうの専門店もシステムを導入しました。

店の混雑解消だけでなく、客にとっては順番を待つ間に、別の観光地に立ち寄ることも可能になり、時間の有効活用につながるとみています。

「歩成」の榎原誠専務は「待ち時間を有効活用して、地域経済の発展にもつながればと思います」と話していました。

システムを提供している情報サービス大手のリクルートによりますと、6月は飲食店や小売店などから前の年のおよそ3倍の問い合わせが寄せられたということで、新型コロナウイルスの感染者が再び増える中、関心が高まっています。

専門家「新しい日常になるか」

混雑対策の広がりについて、消費動向に詳しい日本総合研究所の小方尚子主任研究員は「足元で『第二波』と心配されるような感染の増大が起きているので、混雑緩和や密を避けることが重要になっている。利用者も一回使えば便利だと気付き、コロナ後の新しい日常=ニューノーマルになっていくのではないか」と話しています。

そのうえで、小方主任研究員は、飲食店や小売店にとっては、従業員を効率的に配置できるようになり、人手不足の対応にもなると指摘しています。