身に覚えない謎の「種」栽培せぬよう防疫所が呼びかけ

身に覚えない謎の「種」栽培せぬよう防疫所が呼びかけ
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先月、神奈川県三浦市に住む男性の自宅に中国から送られたとみられる植物の種のような物が入った小包が届いていたことが分かりました。「注文した覚えのない植物の種が届いた」といった相談は横浜植物防疫所に相次いでいるということで、植物防疫所は受け取っても栽培しないよう呼びかけています。
先月28日、三浦市に住む60代の男性の自宅に銀色の袋が届き、中に1粒の大きさが2ミリほどの茶褐色で丸い植物の種のような物が数十個入れられた、小さな透明の袋が1つ入っていたということです。
ラベルの表記から中国から届いたとみられ、宛先として男性の名前と住所が記されていたということで、男性は翌日、三浦市に届け出たということです。

一方、横浜植物防疫所によりますと、先月末以降、「注文した覚えのない植物の種が届いた」といった相談が全国から相次いでいるということです。

いずれも海外から届いたとみられ、検疫をパスした場合に包みに押される合格印がないということです。

植物防疫所によりますと、不審な植物の種子が送りつけられるケースはアメリカなどでも出ているということで、植物防疫所は、むやみに植えたりせず相談するよう呼びかけています。

「違法薬物育てるおそれ」「有害ウイルス付着も」

検疫を通過していない植物の種が持つリスクについて、三浦市環境課の堀越修一課長は「安易に植えてしまうと、意図せず違法薬物を育ててしまったり、外来種だった場合は日本古来の生態系を乱したりするおそれがある」と指摘しています。

横浜植物防疫所の担当者も「種に有害なウイルスや虫が付着している可能性があり、植えることでコメなど日本の農作物が枯れて農家に影響を及ぼすことも考えられる」と指摘しています。

海外でも種の送りつけ相次ぐ

アメリカの複数のメディアによりますと、全米ではことし6月以降、品名に「指輪」や「おもちゃ」などと書かれた身に覚えのない郵便物が個人宅に送りつけられる事案が西部ワシントン州など20以上の州で確認され、このうち南部バージニア州では届け出が1000件以上に上っているということです。

中身は植物の種で、アメリカ農務省が調べたところ、アサガオやキャベツなど少なくとも14種類の種であることがわかったということです。

今のところ有害物質は確認されていないということです。

ラベルには中国国内の住所や「中国郵政」などの文字が印刷されているものが多く、農務省や州政府は主に中国から発送されたとみていますが、中国外務省は「ラベルは偽造されていて、表示のレイアウトなどにも誤りが多い」と指摘しています。

同様の事案はカナダやイギリス、オーストラリアでも確認され、各国や地元政府は、むやみに開けたり種を植えたりせずに当局に届け出るよう注意を呼びかけています。