広島「黒い雨」判決 被告の広島市と県 国に控訴しないよう要請

広島「黒い雨」判決 被告の広島市と県 国に控訴しないよう要請
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広島に原爆が投下された直後に放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」を浴びた住民が健康被害を訴えた裁判の判決で、裁判所が全員を被爆者と認めたことを受けて、被告となっている広島市と県は、国に対し、控訴することに消極的な意向を伝え、国にも控訴しないよう要請しました。
原爆が投下された直後に降ったいわゆる「黒い雨」をめぐり、国による援護を受けられる区域の外にいた住民や遺族合わせて84人は健康被害を訴えて裁判を起こし、29日、広島地方裁判所が全員を被爆者と認め、広島市や県に対し、被爆者健康手帳を交付するよう命じました。

これを受けて、広島市の副市長や県の担当者が30日厚生労働省を訪れ、これまでも援護区域を拡大するよう国に求めてきたとして、控訴することに消極的な意向を伝えました。

そのうえで、「今回の判決を重く受け止め、科学的知見よりも政治判断を優先して控訴しないでほしい」と述べ、国に対し、控訴しないよう要請しました。

県によりますと、厚生労働省の担当者は、「判決の内容を十分に精査して、関係省庁などと協議して、対応したい」と回答したということです。

国は裁判で直接争う立場の被告ではありませんが、補助的な立場で参加して控訴する権限があり、8月12日の期限までにどう対応するのか注目されます。

加藤厚労相「関係省庁や広島県 広島市とも協議」

広島に原爆が投下された直後に放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたと訴えた住民全員を広島地方裁判所が被爆者と認めた判決について、加藤厚生労働大臣は、31日の閣議後の会見で「国側の主張は認められなかったものと認識している」としたうえで、今後の対応について、「判決の内容を十分精査したうえで関係省庁や広島県、広島市とも協議したい」と述べました。