7月の豪雨 要因は“前線停滞と高気圧の南西側への張り出し”

7月の豪雨 要因は“前線停滞と高気圧の南西側への張り出し”
この7月に各地に被害をもたらした豪雨の要因について、気象庁が分析結果を発表しました。梅雨前線の停滞に加え、太平洋高気圧が南西側に張り出していたことで、前線と高気圧の2つの方向から流れ込む大量の水蒸気が日本付近で合流していたことが主な要因だとしています。
気象庁が7月3日から14日までの豪雨の要因を解析したところ、この期間、上空の偏西風が日本付近で南に大きく蛇行し、さらにその状態が続いたことで梅雨前線が北上できず停滞していました。さらに太平洋高気圧は平年よりも南西に張り出していました。

このため日本付近では西側から前線に沿って流れ込む大量の水蒸気と、南側から高気圧の縁に沿って流れ込む大量の水蒸気が合流し、この期間が長引いたことから各地で豪雨になったとしています。

この期間に西日本から東日本に流れ込んだ水蒸気量は、おととしの西日本豪雨を上回り、気象庁がデータを解析した1958年以降で最大の規模だということです。

大量の水蒸気の影響で、九州では7月3日から4日にかけては熊本県付近で、7月6日に九州北部付近で、いずれも長さが280キロと、これまでで最も距離が長い線状降水帯も発生していたということです。

気象庁は、「海上の水蒸気の観測が十分では無く、今後は観測データを増やす取り組みや、線状降水帯のようなスケールの小さな現象を捉えるための予報モデルの精度の向上に務めていきたい」と話しています。

線状降水帯の定義と今回の豪雨

気象庁によりますと、「線状降水帯」はメカニズムが解明されていない部分があるため、定義については議論が進められている段階にあるとしています。

一方で、7月の一連の豪雨を分析するにあたって、「線状降水帯」の発生について把握していく必要があり、「線状降水帯」を抽出するための定義をつくりました。

今回は、3時間の降水量が80ミリ以上の地域が線状に連なり、面積が1000平方キロメートル以上1万5000平方キロメートル未満、3時間降水量の最大値が100ミリ以上で、これが5時間以上ほぼ同じ場所に停滞するものを「線状降水帯」と定義しました。

その結果、球磨川が氾濫した熊本県付近では、7月3日の午後9時から4日午前10時にかけて、長さ280キロの「線状降水帯」が発生していました。

九州北部で川の氾濫や浸水が相次いだ7月6日午後1時から午後11時にかけては、長崎から佐賀、福岡、それに熊本県に、長さ280キロの「線状降水帯」が発生していました。

いずれも、2009年以降のデータでは、最も距離が長い「線状降水帯」だということです。

九州では7月3日から8日にかけての合わせて9回、すべての県で線状降水帯が発生していて、各地で記録的な豪雨となりました。