臨時国会の召集要求書提出 コロナや豪雨への対応審議を 野党側

臨時国会の召集要求書提出 コロナや豪雨への対応審議を 野党側
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立憲民主党など野党側は、新型コロナウイルスや豪雨災害への対応を国会で審議すべきだとして、憲法の規定に基づいて臨時国会の召集を求める要求書を大島衆議院議長に提出しました。
立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党などの国会対策委員長は、31日午前、大島衆議院議長と面会し、憲法53条の規定に基づいて臨時国会の召集を求める要求書を提出しました。

要求書では「安倍内閣は、新型コロナウイルス感染症への初動対応を完全に誤り、『Go Toトラベル』に象徴される朝令暮改で支離滅裂な対応を続けて、国民を混乱に陥れているにもかかわらず、説明責任を果たしていない」と批判しています。

そのうえで、新型コロナウイルスや豪雨災害への対応を国会で審議すべきだとして、速やかに臨時国会を召集するよう求めています。

これに対し大島議長は政府側に伝え、与党の意向も確認する考えを示したということです。

憲法53条では、衆・参いずれかの議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は国会召集を決定しなければならないと定めていますが、召集時期に関しての規定はなく、内閣の判断に委ねられています。
立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「国会を開かず、説明責任を果たさないなら、安倍内閣は新型コロナウイルス対策を放棄したと断ぜざるをえない。真摯(しんし)な議論を国民の前で連日行う場をぜひ作ってもらいたい」と述べました。

安倍首相「臨時国会は与党とよく相談しながら対応」

安倍総理大臣は31日夜、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し、「通常国会は、先月閉幕したが、その後もほぼ毎週、閉会中審査を行っており、新型コロナウイルスへの対応や集中豪雨対策などについてタイムリーに審議が行われたものと承知している。今後、臨時国会については、諸課題を整理したうえで、与党とよく相談しながら対応していきたい」と述べました。

菅官房長官「与党とも相談 予算の執行に全力」

菅官房長官は午後の記者会見で、「臨時国会の要求には、与党とも相談して対応していきたい。いずれにしろ、現在、コロナ対策、豪雨対策に関係省庁を挙げて取り組んでいるなかで、通常国会で成立した本予算・補正予算の執行を全力で進めているところだ。また、閉会中審査の運びは、国会でお決めになることなので、政府としてコメントは控えたい」と述べました。

一方、記者団が、安倍総理大臣みずからが記者会見して新型コロナウイルスへの対応について説明するべきではないかと質問したのに対し、菅官房長官は「現状の感染状況の評価や当面の対策については、以前、安倍総理大臣が対策本部でみずから説明したとおりだ。いずれにしろ、今後、いろいろな変動があった際には、当然、丁寧に説明をさせていただきたい」と述べました。

自民 森山国対委員長「付託される議案が何か まだ定かでない」

大島衆議院議長は、自民・公明両党の国会対策委員長らと会談し、野党側から憲法の規定に基づいて臨時国会の召集を求める要求書が提出されたことを伝え、「コロナ禍のもと、国会のあるべき姿をよく考えてほしい」と要請しました。

このあと、自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し、「臨時国会に付託される議案が何なのか、まだ定かではない。ただ、イギリスとの経済連携協定の交渉を外務大臣が精力的に進めており、来週、イギリスに行くと聞いている。その動きがどうなるか関心を持っている」と述べました。

一方、閉会中審査については、「立憲民主党の安住国会対策委員長と、『コロナ禍でもあり、国会としても夏休みはなしだ』という話はしている。必要があれば、関係する委員会は現場でしっかり議論してもらい、立法府としての責任を果たしたい」と述べました。

公明 斉藤幹事長「今後の審議 与野党で話し合うことが必要」

公明党の斉藤幹事長は、記者会見で、「これまで国会で閉会中審査を行ってきた。今後の審議の在り方については、与野党でしっかり話し合っていくことが必要だ」と述べました。

共産 田村政策委員長「政府が責任ある説明をするのは当然」

共産党の田村政策委員長は記者会見で「国民の命と暮らしが切迫する中、政府がどう対策をとるのか教えてほしい。感染急増になんとか手を打たなければならず、政府が責任ある説明をするのは当然だ。緊急事態宣言を回避するために何をすべきか議論が必要で、与党も同じ思いのはずだ」と述べました。