NASA 新火星探査機を打ち上げ 生命の痕跡など調査へ

NASA 新火星探査機を打ち上げ 生命の痕跡など調査へ
NASA=アメリカ航空宇宙局は30日、火星の地表を探査する新型の探査機を搭載したロケットを打ち上げました。探査機は、来年2月に火星に到着したあと、搭載した探査車で、およそ2年にわたり火星で生命の痕跡を探すなどの調査を行います。
NASAは30日、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から火星の探査を行う探査機「マーズ2020」を搭載した、「アトラスV」ロケットを打ち上げました。

探査機は、打ち上げからおよそ57分後にロケットから切り離され、およそ80分後に通信に成功して、火星への飛行を開始しました。

探査機は、およそ7か月をかけて来年2月半ばに火星に到着し、忍耐を意味する「パーセヴィアランス」と名付けられた探査車を地表に着陸させます。

探査車は、かつて湖だったと考えられる地点で微生物の痕跡を探すとともに、火星の地質や気象などの調査を行います。

また、火星の大気から酸素を作り出す実験を行うなどして、将来の有人での探査に向けた研究も行います。

探査は2年近く行われる予定で、地球以外で生命が存在したことを示す証拠が見つかるかどうか、期待が高まっています。

探査機は火星で何を?

探査機は、宇宙空間をおよそ4億9700万キロ飛行し、打ち上げからおよそ7か月後の来年2月ごろに火星に到達します。

火星の大気圏に突入後、パラシュートを利用して減速し、地表が近づいたところでエンジンを噴射してゆっくりと降下し、およそ20メートルまで近づいたところで探査車「パーセヴィアランス」をつり下げて、地表に着陸させます。

「パーセヴィアランス」は小型車と同じくらいの大きさの車両で、19台のカメラや、温度や湿度を観測したり物質の構成を分析したりする装置など目的の異なる7台の機器のほか、ロボットアームも搭載しています。また、ドリルで穴を開けて地質のサンプルを採取することもできます。

今回の探査の最も大きな目的は、火星に生命が存在した痕跡を探すことです。「パーセヴィアランス」は、かつて液体の水が流れ込む湖だったと考えられている場所に着陸し、そこに残された物質を分析して、生命が存在していたことを示す痕跡を探すことにしています。

また、将来的に別の探査機で地球に持ち帰ることを念頭に、採取した試料をカプセルに保管しておくことも目的の一つです。

このほか、将来、人類が火星に降り立って探査を行うための準備として、二酸化炭素が主な成分の大気を利用して、酸素を作り出す技術の実験も予定されています。

さらに「パーセヴィアランス」には、火星の薄い大気の中でも飛べるか飛行技術を実証するため、重さ2キロの小型ヘリコプターも搭載されていて、もし成功すれば、地球以外の天体を飛ぶ初めてのヘリコプターになります。

火星と火星をまわる軌道では、現在、アメリカ、インド、そしてESA=ヨーロッパ宇宙機関などの探査機合わせて7機が活動中で、「パーセヴィアランス」は、着陸後、およそ680日間にわたって探査を行う予定です。