60代以上の感染者増加 専門家「医療のひっ迫きたしかねない」

60代以上の感染者増加 専門家「医療のひっ迫きたしかねない」
新型コロナウイルスへの感染が確認された人は、30日、東京都で367人、29日大阪府で221人と、連日、各地でこれまでで最も多い感染者数の報告が相次いでいます。最近では、重症化するリスクの高い60代以上の感染者も確実に増えてきており、専門家は医療体制の整備を急ぐ時期に来ていると指摘しています。
緊急事態宣言が解除されて以降、各地で確認される感染者は30代以下など若い世代の感染が多くなっていましたが、東京都などではこのところ、重症化のリスクが高い60代以上の人への感染も増えています。

感染者に占める60代以上の割合は、東京都では今月も中旬までは、ほとんどの日で10%未満でしたが、15日には10.9%、21日には12.2%、26日には14.6%などと10%を超える日が増えてきています。

また、大阪府では感染者数が61人と宣言の解除後初めて50人を超えた、15日には13.1%、22日には10.7%、29日は17.6%などと10%を超える日が出てきています。

一方、重症患者は、東京都では10日には5人だったのが、29日は22人に、大阪府でも17日には4人だったのが29日は16人と、いずれも短期間に4倍以上に増えています。

感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「高齢の感染者が毎日、一定数出れば医療機関のベッドは確実に埋まっていく。東京だけでなく、大阪など各地で高齢の感染者、そして重症の患者も増えてきており、医療のひっ迫をきたしかねないとても危険な兆候が見られる」と指摘しました。

そのうえで賀来特任教授は「きょうも東京都で367人の感染が確認されるなど、感染者の数で評価しがちだが、今後は重症化する人がどれだけいるのか、ベッドは足りているのかなど医療体制の現状をしっかり見て評価しなければならない。第1波への対応を経て、各地の医療現場は疲弊しており医療体制を再び整えるのにもある程度の時間がかかる。国や行政が介入して、医療体制の整備を急ぐ時期に来ている」と述べ、対応を急ぐよう求めました。