日産 ケリー元代表取締役らの初公判は9月15日に

日産 ケリー元代表取締役らの初公判は9月15日に
中東のレバノンに逃亡している日産自動車元会長カルロス・ゴーン容疑者の共犯として金融商品取引法違反の罪に問われているグレッグ・ケリー元代表取締役と、法人としての日産の初公判がことし9月15日に東京地方裁判所で開かれることになりました。来年7月まで証人尋問が行われ、日産の西川前社長などが出廷する予定です。
日産自動車の元代表取締役グレッグ・ケリー被告(63)は、中東のレバノンに逃亡している日産自動車の元会長カルロス・ゴーン容疑者(66)と共謀し、平成29年度まで8年間の元会長の報酬を、有価証券報告書に合わせて91億円余り少なく記載したとして法人としての日産とともに金融商品取引法違反の罪に問われています。

裁判所と検察、弁護側は当初、ことし4月に初公判を開く方向で協議を進めていましたが、調整に時間がかかったことや新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で初公判はことし9月15日に東京地方裁判所で開かれることになりました。

来年7月まで70回余り証人尋問が行われる見通しで、関係者によりますと、検察との司法取引に応じた日産の元秘書室長や外国人の専務執行役員のほか、西川廣人前社長などが証人として出廷する予定です。

裁判でケリー元代表取締役は「報酬の過少記載はなく、元会長の報酬を決定する立場でもなかった」などと全面的に無罪を主張する予定で、法人としての日産は起訴された内容を争わない方針です。

審理は、ゴーン元会長不在のまま進められる見通しで裁判の行方が注目されます。

ゴーン元会長らの現状

日産自動車の元会長カルロス・ゴーン容疑者は、保釈中で海外渡航が禁止されていた去年12月29日、プライベートジェットで関西空港から不正に出国し、中東のレバノンに逃亡しました。

1月8日にはレバノンで記者会見を開き、「公正な裁判を受けられる望みがなかった。正義から逃げたのではなく不正義と迫害から逃げたのだ」などと主張しました。

ゴーン元会長は保釈を取り消され、ICPO=国際刑事警察機構から国際手配されているほか、東京地検特捜部はことし1月、出入国管理法違反の疑いで元会長の逮捕状を取りました。

日本政府は、ゴーン元会長は日本で裁判を受けるべきだとしてレバノン政府に協力を求めていますが、元会長が日本に戻るめどは立っていません。

一方、特捜部が元会長の逃亡に協力したとして犯人隠避などの疑いで逮捕状を取ったアメリカ人のマイケル・テイラー容疑者(59)と、マイケル容疑者の息子のピーター・テイラー容疑者(27)はことし5月、日本側の要請を受けたアメリカの捜査当局に東部マサチューセッツ州で逮捕されました。

テイラー容疑者は、アメリカ軍の特殊部隊「グリーンベレー」の元隊員とみられ、東京地検は日本とアメリカの間で結ばれている条約に基づいて2人の身柄の引き渡しを要請しています。

マサチューセッツ州の裁判所は、日本に身柄を引き渡すかどうかを審理を進めていますが、容疑者の弁護士は保釈中の人物が逃走すること自体は日本では犯罪ではないため逃走を手助けしたとされる行為は違法行為には当たらないと主張して、2人を釈放するよう求めているということです。

また、逃亡の経由地トルコでは今月、ゴーン元会長の逃亡を助けた罪に問われている地元の民間航空会社の元幹部ら7人の初公判が開かれ、元幹部らはいずれも無罪を主張しました。

ゴーン元会長をめぐっては、フランスの検察もことし2月、経営トップを務めていたルノーでの資金流用や背任などの疑いが強まったとして、裁判にかけるかどうかを審査する「予審手続き」を開始しています。