広島「黒い雨」判決 原告の住民ら 市や県に控訴断念を申し入れ

広島「黒い雨」判決 原告の住民ら 市や県に控訴断念を申し入れ
広島に原爆が投下された直後に放射性物質を含む、いわゆる「黒い雨」を浴びた住民が健康被害を訴えた裁判で、広島地方裁判所が29日に、全員を被爆者と認める判決を言い渡したことを受けて、住民たちは裁判の被告となっている広島市や県に対し、控訴しないよう申し入れました。
原爆が投下された直後に降った、いわゆる「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたとして、現在の広島市佐伯区や安芸太田町などに住む住民や遺族、合わせて84人が起こした裁判で、広島地方裁判所は29日に全員を被爆者と認め、広島市や県に対し、被爆者健康手帳を交付するよう命じました。

判決を受けて住民や弁護士など11人は、広島市や県に控訴しないよう要望し、このうち広島市役所では担当課の職員に松井市長宛ての申し入れ書を手渡しました。

原告団の竹森雅泰弁護士は「高齢化が進む原告たちに残された時間は、わずかしかない。広島市は黒い雨に関する援護区域の拡大をこれまでも国に求めてきたので、本来の立場に返って厚生労働省と協議して控訴を断念してほしい」と述べました。

広島市原爆被害対策部の杉浦信人部長は「要望の趣旨をしっかり受け止めて国と協議していきたい」と答えました。

申し入れのあと、原告団の高野正明原告団長は「今回の司法判断を受け入れて、わたしたちの要望を認めてほしい」と話していました。