米GDP今夜発表 記録的落ち込みの見通し 新型コロナ影響

米GDP今夜発表 記録的落ち込みの見通し 新型コロナ影響
日本時間の30日夜発表されるアメリカのことし4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、新型コロナウイルスの感染拡大で記録的な落ち込みになる見通しです。中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、景気悪化の長期化が経済格差を一段と広げるおそれがあると強い懸念を示しました。
アメリカの4月から6月までのGDPの速報値は、日本時間の30日午後9時半に発表されます。

この3か月間は新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動がほぼストップした時期にあたり、GDPの伸び率は、市場の予想では年率換算で前の3か月に比べてマイナス35%程度と、四半期の統計を取り始めた1947年以来、最悪となる見通しです。

29日、記者会見したFRBのパウエル議長は「この景気後退はすべてのアメリカ人に平等にふりかかっているわけではない。レストランやホテルなど比較的賃金の低い業種で働く人に重くのしかかっている」と述べました。

アメリカでは感染拡大に歯止めがかかっておらず、今月以降の景気回復ペースも鈍っていると見られ、パウエル議長の発言は、景気悪化の長期化がアメリカで問題になってきた経済格差を一段と広げるおそれがあるとの懸念を示したものです。

会見でパウエル議長は引き続き金融・財政の両面で景気の下支えが必要だと述べましたが、着実な回復の道筋は見通せない状況です。