北朝鮮送還の女性に人権侵害 国連人権高等弁務官事務所 報告書

北朝鮮送還の女性に人権侵害 国連人権高等弁務官事務所 報告書
国連人権高等弁務官事務所は、北朝鮮から逃れたあと連れ戻された女性100人余りについての報告書を公開し、暴力や性的暴行といった人権侵害が後を絶たないとして、ほかの国に対し脱北者を北朝鮮に送還しないよう求めています。
国連人権高等弁務官事務所は、北朝鮮から逃れたあと2009年から2019年にかけて本国に連れ戻され、その後、再び逃れることができた女性100人余りに北朝鮮国内での状況について聞き取り調査を行い、28日、報告書を公開しました。

それによりますと、女性たちは北朝鮮の当局に拘束されたあと、法的な手続きがないまま尋問や拷問を受けたり、衛生状態が悪く、日光もほとんど当たらない刑務所に収容されたりしました。

そして、十分な食糧を与えられないまま強制労働に従事させられたり、殴る蹴るといった暴力や性的暴行を受けたりしたほか、堕胎を強制されたケースもあったということです。

2015年に強制送還された女性は、「刑務所にいる間、5、6人が死亡し、そのほとんどが栄養失調によるものだった」と証言しています。

28日に韓国のソウルで会見した国連人権高等弁務官事務所のダニエル・コリンジ担当官は、「女性たちの声を集めた報告書を公開することで、北朝鮮政府が状況を改善するよう圧力をかけたかった」としたうえで、ほかの国々に対し、脱北者を北朝鮮に送還しないよう求めました。