タツノオトシゴの養殖 本格的に事業化へ 漢方薬の原料

タツノオトシゴの養殖 本格的に事業化へ 漢方薬の原料
静岡商工会議所と東海大学海洋学部が共同で研究してきた、漢方薬の原料としてのタツノオトシゴの養殖が、東京の企業と共同で本格的に事業化されることになりました。
事業化されるのは、静岡市の東海大学海洋学部の秋山信彦教授が研究しているタツノオトシゴの一種「クロウミウマ」の養殖です。
タツノオトシゴは、滋養強壮の効能がある漢方薬の原料として、中国では乾燥させた1キロ・200匹程度が数万円から数十万円の高値で取り引きされているということですが、絶滅のおそれがある野生生物の国際的な取り引きを規制する「ワシントン条約」では、輸出に一定の手続きが必要な生物に分類されています。
秋山教授は、養殖をすれば乱獲を防げるとして、10年前から静岡商工会議所と共同で国内外で採取したタツノオトシゴを水槽の中で増やす研究に取り組んできました。

タツノオトシゴは、自然界では生後1か月までに99%以上が死んでしまうといいますが、秋山教授の研究グループでは水温や餌の管理により、60%以上を育てることに成功したということです。

秋山教授は「人間が必要な分を養殖で確保すれば、野生からとらなくて済む。刻一刻といろんな生物が絶滅している中で、1種類でもいなくならないよう努力したい」と話していました。

この研究成果を生かして、静岡商工会議所は、東京の企業と共同で、ことしから愛媛県松山市の離島に本格的なタツノオトシゴの養殖施設を建設する計画を今月22日、発表しました。

現地の漁業協同組合とも連携して3年程度をかけて施設を作り、将来的にはタツノオトシゴの漁獲が盛んな東南アジアにも技術を広めて、資源保護と産業の両立を図っていくということです。

静岡商工会議所の酒井公夫会頭は「民間では成り立たない事業で、産官学連携で事業化ができたのは1つの成果だ。技術が世界に広がるよう取り組んでいきたい」と話していました。